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2026/09/29

軽油と灯油の違いとは?それぞれの成分や用途、誤使用の危険性を解説

軽油と灯油は、どちらも原油から作られる燃料ですが、用途や求められる品質が違います。代用したり誤給油したりすると、機器や車両の故障、事故につながる可能性も。本記事では、軽油と灯油の成分や用途の違いのほか、誤使用の危険性、間違えたときの対処法、取り違えを防ぐ方法を解説します。

軽油と灯油の違いを一覧で比較

チェックという文字と虫眼鏡

軽油と灯油は、どちらも原油を精製して作られる液体燃料です。まずは一覧で違いを比較しておきましょう。

比較項目軽油灯油
主な用途ディーゼル車、トラック、バス、重機、農業機械など石油ストーブ、石油ファンヒーター、給湯器、ボイラーなど
原油から取り出される部分灯油よりも沸点が高い軽油留分ガソリンと軽油の間にあたる灯油留分
求められる品質ディーゼルエンジンでの着火性や低温時の流動性など煙やニオイが出にくく、燃焼性がよいことなど
引火点原則45℃以上。種類によっては50℃以上40℃以上
見た目無色透明から薄い黄色の場合がある無色または淡黄色で透明
税金軽油引取税が課される原則として軽油引取税はかからない

軽油と灯油の成分・性質の違い

試験管とフラスコ

軽油と灯油は、どちらも原油を精製して作られる炭化水素の混合物です。ただし、原油から取り出される部分や、製品に求められる品質が異なります。

原油から取り出される部分と、求められる品質が異なる

製油所では原油を加熱し、蒸気になる温度の違いを利用して、LPガス、ガソリン、灯油、軽油、重油などを取り出します。灯油は軽油よりも低い温度帯で取り出される成分を中心に作られ、軽油はそれよりも高い温度帯の成分を中心に作られるのが違いの一つです。取り出される温度の範囲には一部重なる部分があり、その後に不純物を取り除く処理などが行われます。

また、灯油と軽油では求められる品質も異なります。灯油は、ストーブや給湯器で燃やしたときに、煙やニオイが出にくいことなどが重視される傾向。一方、軽油にはディーゼルエンジン内で着火しやすいことや、寒い環境でも流れやすいことなどが求められます。

引火点と揮発性に大きな差はない

引火点とは、液体から発生した蒸気に火を近づけたときに、燃え始める最低温度のことです。灯油の引火点は40℃以上、軽油は種類によって45℃以上、または50℃以上と定められています。数値には大きな開きがなく、どちらも消防法上は第2石油類に分類されています。

灯油と軽油は、どちらもガソリンに比べると蒸発しにくい燃料です。ただし、加熱された状態や火気の近くでは引火するおそれがあるため、取り扱いには注意が必要です。

色やニオイだけでは確実に見分けられない

灯油は無色透明、軽油は無色透明から薄い黄色を帯びたものが一般的です。ただし、製品や光の当たり方、保管状態によって見え方は変わるため、色だけでは確実に区別できません。どちらも石油特有のニオイがあるので、ニオイだけで判断するのも困難です。

中身を確かめるために直接ニオイを嗅いだり、火を付けたりするのは危険なので避けるようにしてください。燃料の種類が分からない場合は使用せず、容器のラベルや購入時の記録を確認しましょう。

軽油と灯油の用途・税金の違い

石油ストーブに給油する様子

軽油と灯油は、使用する車両・機器が異なるほか、販売価格に含まれる税金にも違いがあります。

軽油は車両用・灯油は暖房用として使われる

軽油は主に、ディーゼルエンジンを搭載した乗用車やトラック、バス、重機などの燃料として使われます。ディーゼルエンジンは、圧縮して高温になった空気の中へ軽油を噴射し、自己着火させて動力を生み出す仕組みです。

一方、灯油は石油ストーブや石油ファンヒーターなど、主に家庭用の暖房器具で使われます。車両や暖房器具は、それぞれ指定された燃料の性質に合わせて設計されています。軽油と灯油は性質が似ている部分があっても、互いに代用することはできません。

軽油には軽油引取税が含まれる

軽油の販売価格には、軽油引取税に相当する金額が含まれています。2026年4月1日に従来の「当分の間税率(旧暫定税率)」が廃止され、税率は1リットルあたり32.1円から15円に変更されました。一方、暖房用として販売される灯油には、軽油引取税がかかりません。

軽油と灯油を互いに代用する危険性

車が故障して困る女性

軽油と灯油は、どちらも原油から作られ、見た目や性質にも似ている部分があります。しかし、車両や暖房器具ごとに求められる品質が異なるため、互いに代用したり混ぜたりして使用することはできません。

灯油をディーゼル車に入れると故障につながる

ディーゼル車は、適度な着火性や潤滑性、低温時の流動性など、軽油に求められる品質を前提に設計されています。灯油は軽油より潤滑性などが低いため、ディーゼル車に使用すると燃料噴射ポンプやインジェクターが摩耗し、始動不良や出力低下などの不具合につながるおそれがあります。

また、灯油を混ぜた燃料を使用すると、排ガス性能が悪化して大気汚染の原因になる可能性もあるので注意が必要です。

軽油を石油ストーブなどに入れると異常燃焼のおそれがある

家庭用の石油ストーブや石油ファンヒーターは、灯油を使用することを前提に作られています。軽油が混ざった灯油は「不純灯油」にあたり、使用すると正常に燃焼しなかったり、強いニオイや煤が発生したりする原因につなります。また、燃料の供給不良や点火不良、機器の故障につながるリスクも。

石油ストーブによる火災事例には、ガソリンや軽油を灯油と間違えて給油したことによるものもあるので、取り違えないようにしましょう。

軽油に灯油を混ぜて使うと罰せられる可能性がある

軽油に灯油を混ぜても、ディーゼル車に適した燃料になるわけではありません。着火性や潤滑性などが軽油の品質規格から外れ、エンジンの不調や損傷、排気ガスの悪化につながるおそれがあります。

また、都道府県の承認を受けずに軽油へ灯油や重油などを混ぜたものは「不正軽油」に該当します。軽油に灯油を混ぜたり、その燃料を自動車用として使用したりすると、地方税法違反となる可能性も。不正軽油と知りながら購入・保管・運搬する行為にも罰則が設けられています。

軽油と灯油を間違えたときの対処法

ロードサービスに電話する女性

軽油と灯油を間違えた場合は、車や暖房器具を作動させないことが重要です。既に使用してしまった場合も、そのまま使い続けたり、正しい燃料を継ぎ足して薄めたりせず、販売店やメーカーなどへ相談しましょう。

車に灯油を入れた場合

誤給油後に必要な処置は、混入量やエンジンを動かしたかどうかによって異なります。エンジン始動前に気づいた場合は、エンジンをかけないのが基本です。自動車販売店や整備工場、ロードサービスに連絡し、燃料の抜き替えを依頼しましょう。

走行している場合は、安全な場所に停車してエンジンを切ります。走行を続けると、出力低下や始動不良、燃料系部品の損傷などにつながるおそれがあります。燃料の抜き替えに加えて、燃料フィルターの交換や配管の洗浄が必要になる可能性もあるので、早めに整備工場などへ相談しましょう。

暖房器具に軽油を入れた場合

石油ストーブや石油ファンヒーターに点火する前に軽油を入れたことに気づいた場合、そのまま点火しないようにしましょう。給油タンクだけではなく、機器内部の油受け皿や本体タンクへ軽油が流れ込んでいる可能性があります。稼働している場合は使用を中止し、機器が十分に冷えるまで待ちます。異臭や煤、点火不良などがなくても、正しい灯油を継ぎ足して使うのは避けてください。

軽油の取り除き方や洗浄方法は、製品によって異なります。まずは取扱説明書を確認し、不明な場合は購入店やメーカーへ相談しましょう。

軽油と灯油の取り違えを防ぐ方法

床に置かれた燃料携行缶

軽油と灯油は見た目やニオイが似ているため、目視で判断するのは困難です。保管時と給油時の両方で確認し、容器や表示で区別しましょう。

容器と保管場所を分ける

軽油と灯油を保管するときは、それぞれの燃料に対応した容器を使い、同じ容器を使い回さないようにしましょう。容器を共用すると、残った燃料が混ざったり、内容物を取り違えたりするおそれがあるため、燃料ごとに分けるのが基本です。

容器には「軽油」「灯油」と大きく表示し、色や形を違うものにしておくと、取り違えを防ぎやすくなります。保管場所を分け、どこに何を置いているかを家族や使用者の間で共有しておくとより安全です。

給油前に車両・機器・ノズルの表示を確認する

車に給油するときは、記憶や車体の大きさだけで判断せず、取扱説明書や車検証で指定燃料を確認しましょう。軽自動車の「軽」は車両区分を示すものであり、軽油を使用するという意味ではありません。

セルフ式ガソリンスタンドでは、燃料の種類を区別できるよう、ノズルなどが次の色で表示されています。

レギュラーガソリン:赤

ハイオクガソリン:黄

軽油:緑

灯油:青

上記の色だけに頼らず、計量機に表示された燃料名も確認してからノズルを取りましょう。また、セルフスタンドでは、軽油を携行缶などの容器に自分で入れることが禁止されています。軽油を容器で購入する場合は、店舗の設備や販売方法を確認し、従業員の案内に従いましょう。

軽油と灯油の違いを理解して正しく使い分けよう

軽油を給油する様子

軽油と灯油は、原油から作られる過程や品質、用途、税金などが異なります。軽油はディーゼル車など、灯油は石油ストーブなどに使用し、互いに代用したり混ぜたりしてはいけません。万が一間違えた場合は、車や暖房器具を作動させず、販売店やメーカーなどへ相談しましょう。

▼こちらも参考に。

軽油とガソリンの違いとは?誤給油を防ぐために知っておきたい燃料の基礎知識

#灯油

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