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ローリングストックの実例集|食品・日用品・燃料を無理なく備える方法を紹介

無理なく続けられるローリングストックの実例や、続けるためのコツなどを紹介します。ローリングストックは、もしもの時に備えて日常的に使う食品や日用品を消費しながら補充する備蓄方法。少しの工夫を加えて管理しやすい状態にしておくと、災害時に食料や日用品が足りないという事態を防ぎやすくなります。

ローリングストックとは?基本の考え方とメリット

保存食を取り出す女性

ローリングストックは災害や外出困難な時に備え、食品や日用品を日常で消費しながら備える備蓄方法として普及しつつあります。まずはローリングストックの基本的な考え方とメリットを解説します。

ローリングストックとは

ローリングストックとは、備蓄品を日常的に消費しながら補充し、常に新しい状態を保つ備蓄方法を指します。災害時は食料品や日用品の入手が困難になる事態が想定されるため、備蓄をしておくことが重要です。

しかし一度に大量の食料品を備蓄してしまうと、消費期限の管理や入れ替えに手間がかかってしまいます。ローリングストックは普段から多めに購入し、使った分を買い足すため期限切れや廃棄を防ぎやすくなります。災害時だけではなく、ケガや家庭の事情などで買い物に行くのが難しい時にも役立つでしょう。

ローリングストックのメリット

ローリングストックは非常時でも食べ慣れた食品が食べられるため、精神的な安心感を得やすいといったメリットがあります。日常で使う食品を備蓄に回すので、期限切れ防止や食品ロス削減にも効果的です。た、なるべく常温保存できる食品を選び、消費期限が迫っているものから消費していけばよいので、管理も難しくありません。無理なく継続できて、非常時の負担軽減も兼ねられる備蓄方法と言えるでしょう。

ローリングストックを実践している人は増加傾向

スーパーで買い物をする女性

ローリングストックの実施率は上昇傾向にあり、防災備蓄の方法として定着してきています。ミドリ安全.comが行った調査によると、2025年のローリングストックの実施率は24.6%で、過去最高を記録しました。また、株式会社ロイヤリティ マーケティングの調査では、ローリングストック実施率は64.8%というデータが公表されました。

防災意識の高まりと、災害時だけではなく日常の食生活にも利用できる手軽さから、ローリングストックは今後さらに普及が進むと考えられます。

参考:ミドリ安全.com「2025年度 家庭の防災対策実態調査」   株式会社ロイヤリティ マーケティング「備蓄食品に関する調査」

【食品】ローリングストックの実例

水や缶詰などの食品

食料の備蓄は非常時の安心や健康維持に直結します。水や主食、レトルトや缶詰など、保存しやすい食品を使ったローリングストック事例を見ていきましょう。

水のローリングストック実例

水の備えは1人1日約3リットルが目安で、4人家族の場合だと1週間分で約84リットル必要になります。飲料水だけではなく調理用としても使うため、十分な量を用意しておきましょう。

ウォーターサーバーの12リットルボトルを4本常備したり、500ミリリットルのペットボトルや長期保存水を合わせて備蓄するなどがおすすめ。使用した分をこまめに補充し、必要量を確保しておくのがポイントです。

主食のローリングストック実例

主食は無洗米やパックご飯、乾麺、カップ麺など、複数種類を用意しておくと良いでしょう。例えば、無洗米5キロを2袋、パックご飯8個、そばやパスタの乾麺を十分な量ストックしておくなどです。食事のバリエーションが増えるので、ローリングストックを飽きずに続けやすくなります。

レトルト食品と缶詰のローリングストック実例

レトルト食品や缶詰は調理が不要で栄養補給が簡単なため、災害時の食事に適しています。例えば4人家族で1週間分とすると、カレーや牛丼のようなレトルト食品約90食分に、魚・肉・野菜の缶詰を合わせるなど、主菜・副菜のバランスを考えて準備しておくのがおすすめです。

お菓子や飲料のローリングストック実例

甘いお菓子や飲料は、ストレス軽減や間食に役立ちます。災害時の不安を和らげる心理的効果が期待できるでしょう。例えば、チョコレートや飴を1日2回分を目安に備蓄し、インスタントコーヒーやお茶も用意するなど、家族の好みに合ったものを選ぶと、消費できずに期限が切れてしまう心配もありません。

▼こちらもご参考ください。

スーパーで揃えるおすすめ非常食7選!備蓄量の目安や選び方のポイントを紹介

【日用品】ローリングストックの実例

トイレットペーパーのストックを確認する女性

食料だけではなく、日常的に使用する消耗品も災害時には欠かせません。衛生用品や調理器具など、日常で使いながら備えられる実例を紹介します。

衛生用品のローリングストック実例

トイレットペーパーやティッシュ、ウェットティッシュは衛生用品のなかでも必須の備蓄品です。災害時に品薄になりやすいのに加えて、清潔を保って感染症予防をする必要があるためです。トイレットペーパーは1人4ロール、ティッシュは1人2箱、ウェットティッシュは100枚入りを数パックストックするなどして備えておきましょう。女性の場合は合わせて生理用品も、乳幼児や高齢者がいる場合はオムツも十分な量ストックしておくと安心です。

調理器具や生活用品のローリングストック実例

カセットコンロとガスボンベ、ラップやアルミホイル、ポリ袋などは災害時の調理や衛生維持に役立ちます。ガスや電気が使えない場合も、熱源と調理器具があれば温かい食事ができます。定期的に鍋料理などでカセットコンロを使いながらガスボンベの残量を管理し、ラップやポリ袋は1週間分以上を備蓄するのがおすすめです。多用途に使えるものは、無理なく普段使いしながら補充がしやすいでしょう。

医薬品や消毒用品のローリングストック実例

常備薬や消毒薬、ばんそうこう、除菌ジェルなどはケガや感染症対策に欠かせないアイテムです。災害時は病院に行きにくくなるため、自力の応急処置や清潔維持が必要になります。1週間分の常備薬や高機能ばんそうこう、除菌ジェル500mlボトルなどを忘れずにストックしておきましょう。使用期限を確認し、日常的に使って入れ替えながら備蓄を維持するのがポイントです。

【燃料】ローリングストックの実例

ポリタンクに灯油を入れる様子

食品や日用品に加えて、灯油やガソリンといった燃料もローリングストックで常に補充しながら十分な量を維持しましょう。災害時にライフラインが停止すると、燃料の入手も困難になります。

ガソリンは日ごろから満タンを心がけ、灯油はプラス1缶多めにストックしておくのがおすすめです。ガソリンを満タンにしておくと移動だけではなく、車中避難も選択肢に加わります。また、灯油を1缶多めに備えておくと、石油ストーブで暖をとったり灯油コンロで調理ができたりします。灯油を備える場合は、保管期限6ヵ月を目安にしてシーズン内に使い切るのがポイント。ストックは古い順に使うのが安全です。

▼こちらもご参考に。

灯油の正しい保管方法|処分の仕方や劣化した灯油の見分け方も解説

ローリングストックを続けるためのコツ

カレンダーに印をつける様子

ローリングストックは継続することが何より大切。習慣化しやすい工夫や管理方法を知れば、無理なく備蓄を続けられます。ローリングストックを続けるためのコツを紹介します。

普段食べる食品を多めに備える

日常で消費している食品を少し多めに備えるようにすると、ローリングストックが長続きの秘訣です。普段食べ慣れた食品なら消費が進んで、循環しやすくなるでしょう。麺類、スープ、缶詰、おやつなど、家族が好きな食品を多めにストックしてみてください。

使った分はすぐ補充する

備蓄品は使ったらすぐに補充するのがおすすめです。補充を後回しにすると、買い忘れなどでいざという時に在庫不足になってしまうかもしれません。缶詰やレトルト食品は一つ使ったら次回の買い物で買い足すといったように、常に補充するようにしましょう。即時補充を習慣にすると備蓄切れを防げます。

定期的に在庫の点検をする

ストック品を見直す時期を決めておき、カレンダーに記しておくのもポイント。期限切れや在庫不足を防げて、常に万全の状態を維持しやすくなります。短期保存品は月1回、長期保存品は年2回を目安に点検するのがおすすめです。あらかじめ点検日を決めておくことで管理が継続しやすくなるでしょう。

在庫が一目でわかるように整理する

在庫は一目で把握できるように、整理しておきましょう。整理されていないと、埋もれて忘れたまま期限切れになってしまうかもしれません。スペースを取らない縦置き収納や種類ごとの分類、消費期限表示がすぐに確認できる置き方をするなどの工夫を取り入れてみてください。整理整頓は、食品ロス防止の基本です。

分散収納で管理しやすくする

ストック品は複数の場所に分けて保管するのがおすすめです。スペース不足や家族による無断消費を防げる他、災害時のリスク分散にも有効です。例えば食品の場合だと、キッチンには日常消費分、別室に長期保存分を置いておくなど。分散収納は、管理の効率化と安全性の向上につながります。

実例やコツを参考にローリングストックを取り入れよう

スーパーで買い物をする女性

ローリングストックは家庭でも無理なく行いやすい備蓄方法として、近年注目が集まっています。家族が好きな食品や日用品が災害時にも使えると、精神的なストレスを和らげやすくなります。食品と日用品に加えて、ガソリンや灯油といった燃料もローリングストックで常に十分な状態にしておくとより安心。ここで紹介した実例やコツを参考に、ローリングストックを実践してみてください。

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