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1月17日は「防災とボランティアの日」。防災の取り組みと日頃からできること

毎年1月17日の「防災とボランティアの日」は、災害時の備えやボランティア活動の大切さを認識するための日です。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、多くの人々が防災やボランティア活動について考える日として定められました。この記事では、「防災とボランティアの日」が始まったきっかけや主な活動、私達が日常的にできる防災活動について解説します。

防災とボランティアの日とは?

阪神・淡路大震災の被災地

防災とボランティアの日とは、毎年1月17日に制定された災害への備えと、ボランティア活動の大切さを認識するための日。まずは防災とボランティアの日が制定された目的や意義について解説します。

防災とボランティアの日が制定されたきっかけと目的

「防災とボランティアの日」は、1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災がきっかけとなり、制定されました。この震災で全国から多くのボランティアが集まり、被災者支援や復旧作業が進められました。

防災とボランティアの日が定められた目的は以下の通りです。

  • 政府、地方公共団体等防災関係諸機関を始め、国民みんなが災害時におけるボランティア活動や自主的な防災活動への国民の意識を高めること。
  • 災害への備えを強化し、災害時に迅速かつ効果的に対応できる社会づくりを促進すること。

1995年は、災害支援やその復旧において、ボランティア活動の重要性が広く認識されたことから、この年は「ボランティア元年」とも呼ばれています。

1月15日から1月21日までは防災とボランティア週間

政府は1月15日から1月21日までの1週間を「防災とボランティア週間」と定めています。この期間中、災害時のボランティア活動や自主防災活動を広めるため、地方自治体や関係団体が協力し、全国で講演会、講習会、展示会などのイベントが実施されます。

これらの活動を通じて、地域社会での防災意識を高め、災害に備えるための知識や技術を普及させることが目的です。
出典:「防災とボランティアの日」及び「防災とボランティア週間」について

防災ボランティアの広がりと主な活動内容

炊き出しをするボランティア

阪神・淡路大震災をきっかけに広がった防災ボランティアの活動。当時の教訓を活かしたボランティア活動の広がりと、主な活動内容を紹介します。

被災者とボランティアをつなぐ「災害ボランティアセンター」を設置

災害時に被災地のボランティア活動を円滑に進めるため、「災害ボランティアセンター」が設置されています。阪神・淡路大震災の際には、約7割が初めてボランティア活動を経験する人達でした。

そのため、被災者との感情の摩擦やボランティア同士の意見の不一致が発生。これらの教訓を活かし、「災害ボランティアセンター」が設置されるようになり、被災者のニーズとボランティアのマッチングを行っています。

防災ボランティアの主な活動内容

災害が発生した際に行われるボランティア活動には、主に以下のものがあります。

【被災地での災害ボランティア活動例】

  • がれきの撤去・分別
  • 泥だし
  • 室内清掃
  • 引越しの手伝い
  • 物資・衣類の仕分け
  • 炊き出し
  • 災害ボランティアセンター運営のお手伝い
  • 心のケアのお手伝い
  • イベントやサロン活動の支援

災害時に自分ができるボランティア活動について、理解を深めておきましょう。

防災とボランティアの日の取り組み事例

避難訓練をする職員

防災とボランティアの日やこの期間には、さまざまな機関や団体で防災意識を高めるための啓発事業を行っています。ここでは、地方公共団体や消防庁、民間企業の取り組み事業を紹介します。

取り組み事例①地方公共団体

地方公共団体では、地域住民に防災への認識を高めてもらうために、ホームページで情報を発信したり、さまざまなイベントやワークショップを開催しています。これらの取り組みは、大人だけではなく、子どもを含む家族全員の参加を促しています。

<イベント事例>

・地震避難訓練

・無線による情報伝達訓練

・災害ボランティアの体験の講演会

・過去の地震の写真

・防災備蓄品の展示

・災害ボランティアに関するマニュアルや手引きを作成

・防災パンフレットの配布

取り組み事例②消防庁

消防庁は毎年、災害ボランティアが活動しやすい環境を整えるため、地方自治体の担当者向けに研修会を開催しています。東京消防庁では、震度6以上の地震が発生した際に、ボランティアが迅速に活動できるよう、消防職員と連携した応急救護訓練を実施しています。

取り組み事例③企業

1月17日の「防災とボランティアの日」にあわせて、企業もさまざまなイベントやキャンペーンを実施しています。これらは、防災やボランティアへの意識を高めるための有意義な取り組みであると同時に、自社の商品やサービスの魅力を効果的に伝える機会にもなっています。

<イベント事例>

  • 食品関連の組合連合会:ローリングストックに役立つ缶詰やレトルト食品を抽選でプレゼント
  • サニタリーショーツブランド:女性に必要な災害時の備えとして、吸収ショーツを地方公共団体に無償提供

日頃からできる防災活動

床に並べた防災グッズ

防災とボランティアの日だけではなく、日頃から災害に対する備えをすることが重要です。災害が起きる前にできることを確認しておきましょう。

家具を安全に配置する

阪神・淡路大震災や新潟県中越地震では、多くの人が家具の下敷きになってケガを負ったり、命を落としたりしたため、家具の転倒防止対策が重要です。家具が倒れないように、しっかりと壁に固定しておくと安心です。

特に寝室や子ども部屋に家具を置く場合は、背の低い家具を選び、その配置にも工夫をしましょう。倒れた際に出入り口をふさいでしまわないよう、家具の向きや配置にも十分注意が必要です。

食料・ガソリン・灯油を備蓄する

電気やガス、水道などが止まった時に備えて、普段から飲料水や食料などを備蓄しておきましょう。少なくとも3日間、大規模災害時には一週間分の食料を準備することが推奨されています。

食品はローリングストックできる物を選ぶのがポイントです。また日頃からガソリンなど車の燃料を満タンにしておくと、災害時に車内が一時的な避難場所として役立ちます。冬場には、石油ストーブ用に灯油を1缶多めに準備しておくと安心です。

<備蓄品の例>

  • 飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
  • 非常食 3日分の食料ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
  • トイレットペーパー、ティッシュペーパー
  • 簡易トイレ
  • カセットコンロ
  • ガソリン
  • 灯油 など

備蓄品に関するチェックリストは、以下の記事で紹介しています。

▼こちらも参考に。

防災備蓄とは?賢い選び方と効率的な管理で家族の安全を守ろう

非常用持ち出しバッグを準備する

災害時に避難所へ避難することも想定して、非常時に持ち出すべき物をあらかじめバッグに詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。

<非常用バッグのチェックリスト>

▢食料品:最低3日分

▢貴重品(通帳・印鑑・現金・マイナンバーカード・保険証など)

▢懐中電灯

▢携帯ラジオ

▢予備電池・携帯用充電器

▢防災ヘルメット

▢衣類・下着・タオル

▢雨具・防寒具

▢軍手

▢携帯トイレ

▢トイレットペーパー

▢災害用ホイッスル

▢ペン・ノート

▢衛生用品

▢救急用品

▢常備薬・お薬手帳

非常用持ち出しバッグに準備する物は、以下の記事を参考にしてください。

▼参考

防災バッグの中身リスト|最低限必要なものや準備・管理のポイントを解説

家族間で安否確認方法を決めておく

災害時に家族間で安否確認ができるよう、確認方法や集合場所を事前に決めておきましょう。災害時には携帯電話がつながりにくくなるため、「災害用伝言ダイヤル(171)」や「災害用伝言版」などのサービスを利用することをおすすめします。

なお、防災とボランティア週間(1月15日~21日)では、これらのサービスを体験利用することができます。事前に利用方法を家族で確認しておくと、いざという時に安心です。

避難場所や避難経路を確認する

災害時に慌てずに避難するためにも、自治体や国土交通省のホームページなどから、ハザードマップや防災マップを入手して、避難場所、避難経路を事前に確認することも重要です。ハザードマップは、以下のポータルサイトから確認できます。
国土交通省:ハザードマップポータルサイト

防災とボランティアの日を通して防災意識を高めよう

避難訓練をする家族

「防災とボランティアの日」は、災害への備えとボランティア活動の重要性を再認識する良い機会です。イベントに参加したり、防災活動を積極的に行ったりすることで、災害時に自分や家族を守るための正しい知識が身につき、いざという時に慌てずに行動できます。この日だけではなく、日頃から防災の取り組みを行い、災害に備えておきましょう。

#防災イベント

#防災備蓄