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ブレーカーをチェックするカップル

2024/08/02

地震のとき停電したら何をすべき?注意点や家庭・オフィスの停電対策を解説

地震で停電が発生した場合は、火災などの二次災害を防ぐためにも初動が重要です。自宅や外出中、オフィスのそれぞれですべき停電対策を知っておくと慌てずにすむでしょう。この記事では、停電時に最初に行うべきことや、屋内外での注意点、自宅・外出中・オフィスで行う停電対策について詳しく解説します。

地震で停電が起こる理由

地震で液状化が起きている被災地

地震により停電が発生する理由は、電力インフラの被災や電力の供給バランスが崩れるためです。地震によって液状化や家屋の倒壊が起こり、電線やケーブルが切断されることも原因となります。また、東日本大震災のように、発電所が被害を受けると電力供給が停止するケースもあります。

さらに地震時には、多くの電力インフラが自動停止し、供給が減少します。しかし、震源地から遠い地域では通常通り電力を消費し続けます。電力の需要が供給を上回ると大規模災害を引き起こす可能性があるため、一時的に停電が実施されることがあるのです。

地震で停電したら最初にやること

懐中電灯に照らされたブレーカー

地震による停電発生時には、二次災害を防ぐために落ち着いて行動することが大切です。以下では、停電になった際に最初にすべきことを紹介します。

停電の範囲を確認する

停電が発生したら、まずは範囲を把握することが重要です。窓から外を見て、街灯や近所の家の電気が消えているか確認。自宅のみの停電であれば、ブレーカーの状態をチェックし、落ちていたらブレーカーを上げます。

ブレーカー操作で復旧しない場合は、電線や電柱、建物内の設備が損傷している可能性があるため、地域の一般送配電事業者に問い合わせてください。地域一帯が停電している場合は、一般送配電事業者のホームページで停電情報を確認しましょう。ブレーカーの操作方法は、経済産業省の手順を参考にしてください。

コンセントを抜く

停電時は電源プラグを抜くことが重要です。停電が復旧した際、一斉に電気製品が動き出すとブレーカーが落ちたり、ヒューズが飛んだりする恐れがあります。特にヒーターやアイロン、ドライヤーなどの発熱する電気製品は、通電火災の原因となるため必ずプラグを抜いておきましょう。

パソコンやルータ、モデムなどのIT機器も過大な電圧・電流がかかると故障のリスクがあるため、停電時にはデータを保存後、電源を切りコンセントからプラグを抜いてください。

スマホを省エネ設定する

スマホは省エネ設定でバッテリーを温存するのをおすすめします。iPhoneは低電力モードに、Androidはバッテリーセーバーに設定してください。画面の明るさを落とし、自動オフ時間を短くすることも効果的です。

また、未使用のアプリを終了し、Wi-Fi、Bluetooth、GPSをオフにすることもバッテリーの節約に役立ちます。明かりが必要なときはスマホのライトではなく懐中電灯を使用しましょう。家族でスマホを交代で使えば効率的にバッテリーを節約できます。

避難時はブレーカーを落とす

地震や浸水で電気機器や電源コードに異常が生じる可能性があるため、避難時にはブレーカーのスイッチをすべて「切る」ことを忘れないようにしましょう。避難中に停電が復旧すると漏電や火災のリスクが高まります。

阪神・淡路大震災や東日本大震災では、電気関連の火災が多発し、通電火災が一因といわれています。電気関係の火災については十分に注意が必要です。

地震で停電が起きたときの注意点【屋内編】

消えた蝋燭と配電線

地震による停電時には通電火災だけでなく、裸火や発電機による事故も見られます。以下では、地震による停電時に屋内で注意すべきことを紹介します。

ろうそくは使わない

停電中のろうそく使用には注意が必要です。地震後の散乱した状況では裸火による火災のリスクが高まります。実際、東日本大震災では余震によるろうそく火災が多発しました。

LED懐中電灯など火を使わない照明器具を事前に準備しておきましょう。懐中電灯やスマホの上に水の入ったペットボトルを置くと、光が拡散されて部屋が明るくなります。

屋内での発電機の使用は避ける

発電機の屋内使用は一酸化炭素中毒の危険があるため、絶対に避けましょう。東京都の専門機関が行ったテストでは、室内で使用した場合、短時間で危険な一酸化炭素濃度に達することが確認されています。

発電機は必ず屋外の風通しの良い場所で使用してください。発電機の事故防止には、一酸化炭素警報器付きの「住宅用火災・ガス・CO警報器」の設置も有効です。

地震で停電が起きたときの注意点【屋外編】

地震時の停電で消えた信号

地震が起きて停電になると、信号機が使えず、電柱なども倒れてしまうことがあります。以下では、地震による停電が起きたときに屋外で注意すべきことを紹介します。

交通事故に注意する

街灯や信号機が停電していると交通事故の危険性が高まります。徒歩の際には、反射材を身に付けて周囲から見える工夫をしましょう。

車を運転する場合、警察官がいれば指示に従い、警察官がいない場合は一時停止して安全確認を行うことが重要です。常に周囲に目を配り、慌てずに細心の注意を払いながら移動してください。

感電のリスクに注意する

切れた電線や倒れた電柱は感電の危険があります。それらを発見した場合、決して近づかず触れないよう注意にしましょう。すぐに電力会社(一般送配電事業者)に連絡して対応を依頼してください。

地震による停電対策【自宅編】 

非常用袋と備蓄用品

自宅にいるときに地震が発生し停電になった場合に備えて、食料や水などを備蓄するだけではなく、発電機の準備や情報収集の手段、燃料の確保について知っておくと安心です。以下では、自宅でできる停電対策を紹介します。

水や食料を備蓄する

停電に備えて、水と食料の確保は必須です。水は1人1日3リットル、最低3日分(9リットル)を備蓄しましょう。食料は缶詰やインスタント食品など手間のかからないものを備蓄。カセットコンロ、紙皿、割り箸、ラップなども用意しておくと便利です。

乾電池・モバイルバッテリーを準備する

懐中電灯に使う乾電池は、停電時は品薄になる可能性があるため日頃から備蓄を心がけ、風通しの良い場所で保管します。スマートフォンなどの充電に役立つモバイルバッテリーは、停電時に使えるようこまめに充電量を確認しましょう。ソーラー充電式のモバイルバッテリーなら停電時にも活躍します。

太陽光発電・蓄電池システムを導入する

太陽光発電と蓄電池システムがあれば、非常時の電力確保が可能です。太陽光発電システムでは、日射量が多い日中は自家発電の範囲内で電力を使うことができます。停電の際は自立運転モードに切り替えて使用します。

蓄電池と併用すれば、昼間に発電した電力を蓄えて夜間にも利用可能です。これらのシステムは平常時の電気代削減にも役立つので、導入を検討するのも良いでしょう。

携帯用ラジオを準備する

テレビやパソコンは停電時に使えないため、電池式や手回し充電式の携帯ラジオを備えておきましょう。スマートフォンは通信キャリアの回線が使える場合に有効です。テレビアプリやラジオアプリをインストールしておくのもおすすめです。

自治体や公共団体のSNSを情報源としてチェックする習慣をつけましょう。これらの手段で、被害状況や避難情報、支援情報を継続して収集することが可能です。

ガソリン満タン・灯油プラス1缶を心がける

車の燃料は常に満タンを心がけておくと、車が災害時の一時的な避難所にもなります。車のラジオやテレビで最新情報を入手でき、車内を冷暖房の効いたプライベートスペースとして活用できます。

インバーターを用意しておけば、車内でスマホの充電なども可能です。灯油も1缶プラスして保管しておくと、灯油ストーブなどで冬場に暖をとるのに役立ちます。

その他、停電時に必要なものについては、以下の記事で解説しています。

停電の備えに必要なもの11選|注意点や避難時の心構えも解説

【防災対策】家庭でできること11選|災害が起きる前に万全の備えを!

地震による停電対策【オフィス編】

オフィスでPCを使う人

地震に備えて、企業は日ごろからどのような準備をしておくべきかをチェックしておくことが重要です。以下では、電源や備蓄品について、企業のオフィスが準備すべきものを紹介します。

非常用電源を確保する

停電時にネットのサーバーやPCのデータを安全に保護し、障害を防ぐためには、UPS(無停電電源装置)や蓄電池を導入するのがおすすめです。UPSは停電時に数分間の電力供給を行い、正常なシャットダウンを可能にします。さらに蓄電池を併用することで、長時間の停電にも対応できます。

防災備蓄品を準備する

大規模災害で停電が長引いた場合は、従業員がオフィスで待機することもあります。東京都帰宅困難者対策条例では、事業主に対し、従業員の3日分の食料や水などの備蓄を義務付けています。その他、乾電池やバッテリー、懐中電灯、携帯ラジオ、救急医療薬品類も準備しておくことが重要です。

地震による停電でこんなときどうする?

オートロックのドア

地震で停電になったとき、ドアのオートロックの使い方やエレベーター内での行動がわからない方も多いのではないでしょうか。以下では、これらの質問に答えていきます。

ドアのオートロックは開閉できる?

共用エントランスにオートロックが使用されている場合、停電中は手動で施錠・解錠する必要があります。非常用の鍵は普段から身に付けておきましょう。

住戸玄関の電気錠は、「停電直前の状態を維持する」タイプが多いようです。例えば、停電前に施錠されていれば、通電後も施錠されたままになります。停電中の施錠・解錠は外側からキーで、内側からサムターン(つまみを回して)で行います。

カードキーなどの非接触型の鍵が導入されている場合は、予備を持っておくと安心です。

エレベーター内で停電になったら?

停電時にエレベーターに閉じ込められても、無理にドアを開けずに待機します。ボタンを押しても機能しない場合、非常用ボタンを押して外部に救助を求めてください。

エレベーター内は通気されており、窒息の心配はありません。真っ暗になることはなく、停電灯が自動で点灯するので、慌てずに行動しましょう。

地震による停電に備えて安全を確保しよう

コンセントのプラグを抜く女性

地震で停電になった場合は、通電火災が起きないようにプラグを抜き、避難時にはブレーカーを下ろすことが重要です。自宅やオフィスでそれぞれ必要な防災用品や備蓄品を確保してください。オフィスではデータが失われないよう、非常用電源の確保も必要です。

ドアの電気錠やエレベーター内での対応も確認し、地震による停電の際に安全に行動できるよう十分に備えておきましょう。

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