ガソリン給油はこれで安心!静電気除去シートの使い方と注意点
セルフスタンドの「静電気除去シート」は、給油時の火花による引火を防ぐ安全装置。車の乗降や化繊の衣服で体は帯電しやすく、冬は特に注意が必要です。この記事では、事故の傾向と正しい手順、守るべき注意点、Q&Aを通じて対策を整理。タッチは一瞬でOK、スマホ操作や車内再入のNGも解説します。
セルフガソリンスタンドに「静電気除去シート」があるのはなぜ?

セルフスタンドに設置されている静電気除去シートは、ガソリンに引火する事故を防ぐための安全装置です。車から降りた際に体に溜まった静電気を給油前に放電し、火花が原因となる爆発や火災を未然に防ぐ役割を果たしています。
車に乗ると体が帯電する
車のシートや衣服との摩擦によって、人の体は簡単に静電気を帯びます。ドアノブに触れたときに「バチッ」と感じるのは、その静電気が一気に放電されるためです。
特に化学繊維の衣服を着ている場合や乾燥した冬場は静電気が発生しやすく、電圧が数千ボルトに達することもあります。こうした帯電は、ガソリンスタンドでは引火の危険を招く要因となるため注意が必要です。
ガソリンは揮発性が高く静電気で引火しやすい
ガソリンは揮発性が高く、気化したガスが空気中に漂います。そのガスに静電気の火花が触れると、瞬時に引火して爆発や火災を引き起こすおそれがあります。
わずかな放電でも燃料に火が付く可能性があるため、給油時は特に注意が必要です。こうした事故を防ぐためには、静電気を溜めない工夫や、事前に放電する対策が欠かせません。
静電気除去シートで安全に放電できる
静電気除去シートに触れることで、体に溜まった電気を地面に逃がすことができます。給油前に必ずこのシートにタッチすることで、火花による引火のリスクを大幅に減らすことが可能です。
専用のシートには導電性の素材が使用されており、安全に放電できる仕組みになっています。事故を防ぐためにも、これはドライバーが必ず守るべき基本動作のひとつです。
ガソリン×静電気事故の発生件数と傾向

ガソリンスタンドでは、静電気が原因となる事故が実際に発生しています。発生件数や季節ごとの傾向を知っておくことは、給油時の安全意識を高め、事故を防ぐための行動につながります。
静電気事故の発生件数
消防庁の資料によると、静電気が原因とされる給油中の火災事故は毎年数件発生しています。セルフスタンドの運用が始まった平成10年から17年の間には、静電気による火災が19件報告されています。
消防庁が静電気対策を呼びかけて以降は減少傾向にありますが、近年でも給油中の事故は発生しており、引き続き注意が必要です。
冬に静電気事故が多発
静電気による事故は、特に冬の季節に多く発生します。乾燥した空気や厚手の化学繊維の衣服が帯電を促進するためです。消防庁の調査でも、静電気が原因の事故は冬場に集中していると報告されています。そのため、冬の給油時は静電気除去シートに触れるなど、基本的な安全動作を徹底することが重要です。
セルフガソリンスタンドでの正しい給油手順

ガソリンを入れる際には、手順を守れば静電気の着火は防げます。
<給油手順>
1. 車から降り、ドアを閉める。
2. 静電気除去シートに触れて放電する。
3. フューエルリッド(給油口カバー)を開く。
4. 給油キャップを開ける。
5. 給油ノズルを給油口の奥まで差し込む。
6. 給油する。
7. 給油ノズルを引き抜く。
8. ノズルを所定位置に戻す。
9. 給油キャップを閉め、リッドも閉じる。
セルフガソリンスタンドで給油するときの注意点

静電気による着火を防ぐ基本は、「放電・無火気・再帯電防止」です。給油時は手袋や服装の素材、スマートフォンの操作、車内への再入などを見直し、安全な行動を徹底することが大切です。
給油時は必ず手袋を外す
給油前の放電は、基本的に素手で行うことが基本です。ビニールやゴム製の手袋は電気を通さず放電できないため、静電気が残ったままになる危険があります。
必要な場合は革や綿の手袋でも構いませんが、最も確実なのは手袋を外して静電気除去パッドに触れることです。実際に現場でも、「手袋を外して静電気除去パッドへ」という手順が推奨されています。
給油中はスマホの操作は控える
給油口周辺はガソリンの蒸気が漂っており、わずかな火花でも引火する危険があります。スマートフォン内部のスイッチなどで生じる微小な火花が着火源となる可能性があるため、給油中の使用は厳禁です。スタンド内の掲示やアナウンスに従い、操作は必ず給油区画の外で行いましょう。
静電気が溜まりやすい服装を避ける
乾燥する季節は、フリースとナイロンなど化学繊維同士の組み合わせで帯電しやすくなります。静電気を抑えるには、綿やウールなど天然素材の服を組み合わせ、給油前に静電気除去シートで放電することが大切です。また、体や肌の保湿も帯電防止に効果的です。
給油中は車内に戻らない
給油中に車内へ戻ると、シートとの摩擦で再び静電気が発生し、再びノズルを握った際に放電して着火するおそれがあります。実際に「給油の再開時」や「給油終了後」に発生した静電気事故も報告されており、給油中はその場を離れず、最後まで作業を完了させることが鉄則です。
ガソリンスタンドの「静電気除去シート」に関するQ&A

静電気対策のポイントをQ&A形式で整理し、静電気除去シートに触れる「理由・タイミング・時間」を明確にすることで迷わず行動できます。セルフスタンドとフルサービススタンドの違いも理解し、安全な給油行動を徹底しましょう。
フルサービスの店員はなぜ「静電気除去シート」を触らなくてもいいの?
ガソリンスタンドの店員は、帯電防止仕様の制服や導電靴を着用し、常に接地された環境で作業しています。そのため、車体金属や計量機に触れる動線上では再び帯電しにくく、セルフスタンドのように毎回静電気除去シートへ触れる必要がない店舗が多いのです。一方、セルフスタンドでは車を降りる際に帯電しやすいため、給油前のシートタッチが必須となります。
「静電気除去シート」に触れるベストタイミングは?
静電気を放電する最適なタイミングは、給油キャップを外す前です。キャップを開けるとガソリンの蒸気が広がるため、開放前に放電しておくのが最も安全で合理的です。基本的には1回シートに触れるだけで十分ですが、不安な場合は車体の金属部分に触れて再度放電しても問題ありません。
何秒触れば効果がある?
静電気除去シートへのタッチは、1秒ほどで十分です。導電素材を通して計量機から大地へと電気が瞬時に逃げるよう設計されています。確実に放電するためには、必ず素手で触れることが大切です。タッチを終えたら、落ち着いて「キャップを開ける → ノズルを挿入する → 給油する」という順で作業を進めましょう。
セルフガソリンスタンドでは「静電気除去シート」を必ず触る習慣を

セルフ給油の安全対策は、給油前に静電気除去シートへ触れ、所定の手順を確実に守ることが基本です。手袋は外し、スマホ操作は控え、給油中は車内へ戻らないなどの注意も必要です。乾燥期は化繊の重ね着を避けるなど再帯電も予防し、季節や天候にかかわらず同じ手順を徹底しましょう。
#ガソリン
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