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2025/10/20

非常用トイレの正しい使い方や準備のポイント|災害時に困らないための完全ガイド

非常用トイレの使い方を理解しておくと、災害発生時にトイレが使えなくなった時も落ち着いて準備ができます。断水や便器の破損といった事態に備えて、家族構成に合わせた量を用意しておくのがポイント。本記事では、非常用トイレの正しい使い方や選び方、備える際のポイント、保管・処分方法などを紹介します。

災害時のトイレ問題を解消するためにも非常用トイレの準備を

トイレの位置を示したマーク

災害発生時には食料や生活用品に加えて、トイレの確保も必要になります。地震や豪雨による便器の破損や断水、下水管の逆流などで、通常のトイレは使用できない可能性があるためです。過去の災害では、避難所に仮設トイレが整備されるまで1ヵ月以上かかったケースもありました。家庭や避難所で安心して排泄を行い健康を確保できるように、人数分の非常用トイレを備えておくことは非常に重要です。

非常用トイレの種類

ミニチュアの非常用トイレと凝固剤

災害時に使える非常用トイレは、大きく2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解しておくと選びやすくなるでしょう。

携帯トイレ

携帯トイレは袋を洋式便座に取り付けるか、袋を片手で持って使用するタイプ。本体に便座は付属していません。吸水シートや凝固剤で排泄物を安定させ、使用後は袋ごと捨てられるため後処理が簡単に行えます。コンパクトでどこにでも持ち歩けるので、防災ポーチなどにも収納しやすいでしょう。

簡易トイレ

簡易トイレはダンボールや簡易素材を用いた組み立て式の便器に袋を取り付けて使用する、便座があるタイプです。必要な時に組み立てるだけで良いので、手軽さがあります。断水などでトイレが使えない時でも、普段に近い姿勢で排泄できるといったメリットもあります。

非常用トイレの選び方

袋入りの非常用トイレ

非常用トイレは製品ごとに性能や特徴が異なります。選び方のポイントを知っておくと、備えがより安心で確実になります。

タイプで選ぶ

用途や設置環境に応じて、携帯トイレか簡易トイレかを選びましょう。携帯トイレは車中避難の際に便利です。簡易トイレは、自宅避難中に便器が破損して使えない時に役立ちます。状況に応じた選択ができるように、どちらか片方だけではなく両方を用意しておくのが理想的です。

凝固剤の性能で選ぶ

排泄物の固まりやすさや臭いの漏れにくさは、凝固剤の性能によって異なります。排泄物をすばやく固めて臭いや漏れを防ぐには、十分な量の凝固剤が必要です。例えば、凝固剤が6グラムのものと13グラムのものでは吸収力が倍以上違うこともあります。購入前に凝固剤に関する表記を確認しておくと良いでしょう。また、凝固剤に防臭・抗菌効果があると、保管時の臭い対策がしやすくなります。

後処理の簡単さで選ぶ

排泄後の処理が簡単にできるものを選ぶと、快適に使いやすくなります。災害時には通常のトイレの水洗が使えない事態が想定されるため、排泄物の処理は自分で行わなくてはいけません。袋の口を閉じるだけで済むものや、かさばらず処理できる仕様のものなら、手間を省きながら衛生面を保てます。使った後に手を汚さずスムーズに処理できるタイプを選ぶと、より安心です。

使いやすさで選ぶ

誰でも直感的に使える非常用トイレを選ぶと、被災時の不安が和らぎます。停電や断水下では、明かりや水がない不便な環境で非常用トイレを使用する可能性があります。必要な用品がセットになっているものや、構造がシンプルで暗闇でも迷わずに使える製品は特におすすめです。非常時でも簡単に使用できるものを選ぶのに加えて、平時に一度試しておくのも良いでしょう。

非常用トイレの正しい使い方

非常用トイレに凝固剤を入れる様子

製品によって仕様が異なる場合はありますが、非常用トイレの使い方は以下の手順が一般的です。

1. トイレの便座を上げて大きめのポリ袋(45L程度)を被せる

2. 便座を下ろして携帯トイレの袋を挟み込む

3. 凝固剤や吸水シートを袋内に入れる

4. 用を足す

5. 携帯トイレの袋だけを取り外し、空気を抜いて口を固く結ぶ

<ポイント・注意点>

・組み立て式の簡易トイレの場合は、最初にパッケージの説明を確認しながら組み立てと袋の取り付けを行います。

・手順2では携帯トイレの袋が外れないようにしっかりと挟み込みます。テープで固定するのもおすすめです。

・手順3と4は、製品によって前後する場合があります。

使用済み非常用トイレの保管・処分方法

ゴミ箱と黒いゴミ袋

使用後の非常用トイレは、衛生と臭いに配慮して適切に保管・処分しましょう。保管する場合は消臭袋や蓋付きの容器で密閉し、直射日光の当たらない生活空間から離れた場所を選びます。長期間放置すると悪臭や衛生被害が出る他、感染症リスクも高まるため早めに処分してください。

非常用トイレは多くの地域で可燃ゴミとして扱われますが、自治体のルールを事前に確認しておくことをおすすめします。捨てる際にし尿ゴミとわかるようにしておくと、ゴミ処理作業員の安全にもつながります。

非常用トイレを備える際のポイント

トイレットペーパーのストックを取り出す様子

非常用トイレは1つだけではなく、必要な数を用意しておくのがポイント。また、あると便利なグッズも一緒に備えておくのがおすすめです。

家族の人数に合わせた量を確保する

非常用トイレは家族構成と使用回数を計算して、必要な量を備えましょう。個人差もありますが、1日の排泄回数は成人1人あたり5回程度と言われています。4人家族が1週間自宅避難する場合だと「5回×4人×7日=140回分」が目安。余裕があるなら目安よりも多めに備えておくのがおすすめです。

衛生と快適さを保つグッズも一緒に用意しておく

非常用トイレ本体だけではなく、衛生面や安全性に配慮したグッズも併せて用意すると、より快適に使用しやすくなります。

<あると便利なグッズ>

トイレットペーパー:1人あたり1週間1ロールが目安

除菌ウェットティッシュ:断水時に手を洗う代わりに使用する

ポリ袋(45Lサイズ):非常用トイレの袋を便器に被せる前に使用する

消臭袋・蓋付きの容器:使用後の袋を保管する際に使用する

使い捨て手袋:非常用トイレをセットする時や取り外す時に手が汚れない

LEDランタンやヘッドライト:停電時に安全に非常用トイレを使うために必要

消臭剤:トイレ使用時や使用済み袋の保管時に臭いが気になるならあると便利

非常用トイレと一緒に備えておきたいもの

段ボールに詰められた防災備蓄

非常用トイレだけではなく、食料や生活用品、燃料なども一緒に備えることで災害時の生活が安定しやすくなります。

食料・水

災害発生後から72時間(3日間)は支援が遅れる可能性が高いため、備えが生命の安全に直結します。食料や水は最低でも3日分、可能であれば1週間分は備蓄しておきましょう。

飲料水:1人1日3Lが目安

食料:アルファ米、インスタント麺、レトルト食品、缶詰、菓子類などを3日~1週間分

食料が十分にあるだけでも、災害時の不安が和らぎます。

▼こちらもご参考ください。

突然の災害に備えるための1週間分の非常食リスト|食品選びや保管のコツも紹介

生活用品

停電・断水時は調理や冷暖房の確保が難しくなり、食事や居住環境の快適さが脅かされます。災害時の生活を支える基本的なグッズも備えておきましょう。

カセットコンロ・灯油コンロ

ガスボンベ・灯油

懐中電灯・LEDランタン

モバイルバッテリー・電池

ラップ・紙皿・割り箸

タオル・防寒具・着替え など

衛生用品

清潔を保つグッズは、生活の質だけではなく感染症予防にも欠かせません。

ウェットティッシュ

歯ブラシ・口内洗浄液

マスク

救急箱

生理用品・オムツ など

▼こちらもご参考ください。

防災備蓄とは?賢い選び方と効率的な管理で家族の安全を守ろう

ガソリン・灯油などの燃料

災害時に燃料が手に入らなくなる混乱を避けるためにも、ガソリンは日ごろから満タンに、灯油は1缶多めに備えておくのがおすすめ。過去の災害では、燃料を求める人がガソリンスタンドに殺到して長蛇の列ができ、緊急車両や救援活動の妨げになる事例がありました。

「満タン&灯油プラス1缶」を日ごろから意識していると、災害時に燃料不足で困ることがありません。ガソリンを日ごろから満タンにしておくと、電源が確保できるほか、冷暖房が使用できるので車中避難の選択肢が増えます。灯油を1缶多めに備えておくと、灯油ストーブで暖をとったり、灯油コンロで調理ができたりします。

正しい使い方と保管・処分で非常用トイレを快適に使おう

ダンボールでできた非常用トイレ

非常用トイレは、災害時の生活を守る必須アイテムです。正しい使い方・処分方法を知っておくことで、災害時にも安心して使えます。また、食料や燃料の備えも併せて行うと、より生活が安定します。ここで紹介した情報を参考に、適切な量の備えを行いましょう。

#防災グッズ

#非常用トイレ

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