
車に備える防災グッズ完全ガイド|選び方と必須アイテム、保管する際の注意点を解説
災害が発生したとき、自宅や避難所にとどまることが難しい場合、車は「移動できる避難所」として大きな役割を果たします。特に地震や台風、大雨などの際には、車中泊を余儀なくされるケースも少なくありません。そんなときに備えておきたいのが、車載用の防災グッズ。この記事では、選び方のポイントや家族構成別に必要なもの、最低限備えるべきアイテムを詳しく紹介します。
車に防災グッズを備えるべき理由

車は、災害時に自宅や避難所の代わりとなる「移動できる避難場所」として活用できます。地震や台風で自宅が使えなくなった際には、車中泊が現実的な選択肢となるでしょう。
安心して過ごすためには、防寒対策や食料などの防災グッズをあらかじめ備えておくことが大切です。家族構成に応じた準備をしておけば、いざという時にも落ち着いて対応できます。
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車載用防災グッズの選び方

限られた車内スペースでの備えには、目的や状況に応じたグッズ選びが欠かせません。高温や寒さに耐えられるか、省スペースで収納できるかといった選定ポイントを押さえることで、実用性がぐんと高まります。非常時に役立つ車載用防災グッズの選び方を紹介します。
高温・低温に耐える仕様かをチェック
車内は夏には50℃以上、冬には氷点下になるほど過酷な環境に置かれます。そのため、防災グッズが気温によって劣化しないかどうかは重要な選定基準です。
特に水や食料、バッテリーなどは高温に強い製品を選んでおくことで、非常時にも安心して使うことができます。「いざという時に使えない…」とならないためにも、温度耐性を事前に確認して備えておくことが肝心です。
コンパクトで省スペースなものを選ぶ
車内の収納スペースは限られているため、防災グッズはサイズ感を考慮して選びましょう。シート下やトランクに収まる形状、ケース入りのセットはとても便利。使いやすさだけではなく「邪魔にならない工夫」が、長期的に保管を続けるうえで大切なポイントです。場所を取らず、すぐに取り出せる設計のグッズを選ぶことで実用性も高まります。
運転中・停車中の両方に対応できる構成に
災害時には、運転中と車中泊の両方を想定した備えが欠かせません。シートベルトカッターや脱出ハンマーなどは、緊急時に即座に対応できるアイテムとして役立ちます。
一方、停車後の避難生活では、照明や寝具といった生活支援グッズが重要です。走行時の安全確保と滞在時の快適さを両立させるために、役割ごとに必要なグッズを分類して備えておくと安心です。
車載用防災グッズ|最低限備えておきたい6選

車内での避難生活を想定するなら、必要最低限のグッズを揃えておくことが大切です。ここでは、災害時に「本当に役立つ6つの必需品」を厳選して紹介します。用途に合わせて、車内に無理なく収納できる形で準備しておきましょう。
1. 飲料水・長期保存食
災害時にはライフラインの停止を想定し、食料と水は必ず備えておく必要があります。最低でも3日分を目安に用意し、車内保管に適した高温対応のものを選ぶことがポイントです。パウチ型やレトルトの非常食、水パックなどはコンパクトで収納しやすく、セット購入できるものを活用すると便利です。
2. 懐中電灯類
停電時や夜間の車中避難では、視界を確保することが生命線となります。車載グッズとしては、LEDの懐中電灯やランタン型の照明がコンパクトで扱いやすく、長時間の使用にも適しています。いざというときにすぐ使えるよう、電池の残量や保管場所を定期的に確認しておくことも忘れないようにしましょう。
3. 手回し充電器
災害時にスマホの充電が切れてしまうと、情報収集や家族との連絡手段を失う大きなリスクにつながります。電源が確保できない状況に備えて、電池を使わず充電できる手回し充電器を1つは用意しておくと安心です。懐中電灯やラジオが一体型になったタイプなら、省スペースでありながら複数の役割を果たしてくれます。
4. 簡易トイレ・衛生用品
渋滞や避難生活が長引くと、最も困るのがトイレ環境と衛生対策です。携帯トイレやウェットシート、生理用品などをセットで備えておくと安心できます。特に消臭・吸水タイプの簡易トイレは車内でも使いやすく、複数回分を備蓄しておくことが望ましいでしょう。
5. 防寒グッズ・毛布・サンシェード
車内は外気温の影響を強く受けるため、夏には熱中症、冬には低体温症の危険があります。そのため、毛布やアルミシート、サンシェードといった温度調整グッズは必須です。特に冬場の寒冷地や夜間の停車時には、防寒対策が命を守るための重要な装備となります。
6. 救急セット・常備薬
災害時にはケガや持病への対応を自分で完結させなければならない場面が多くあります。そのため、消毒液や絆創膏、常備薬、持病用の薬などをまとめた救急セットは必ず携行しておきましょう。車内保管に耐えられるポーチや箱に整理し、使用期限を定期的にチェックしておくことも大切です。
【家族構成別】車載防災グッズで用意しておきたいもの

家族構成によって必要となる防災グッズは大きく変わります。小さな子どもや高齢者、ペットがいる場合には、それぞれに特有のケアが求められる場面も少なくありません。「誰と避難するか」を想定し、状況に応じた備えを事前に見直しておきましょう。
小さい子どもがいる場合
小さな子どもは環境の変化に敏感で、災害時には強いストレスを受けやすくなります。おむつやおしりふき、子ども用の飲料やおやつに加えて、ぬいぐるみや絵本など安心感を与えるグッズも準備しておくのがおすすめです。また、小さい子どもは体温調節が難しいため、ブランケットや着替えを多めに準備しておくとより安心です。
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高齢者・要介護者がいる場合
高齢者や要介護者がいる場合、移動や排泄、服薬などに特別な配慮が必要です。杖や介助具、紙パンツ、常用薬の予備、保険証のコピーなどをまとめて準備しておきましょう。車内でも快適に過ごせるよう、クッションや防寒アイテムを追加しておくと安心です。
ペットと一緒に避難する場合
ペットも大切な家族の一員であり、避難時には専用の備えが欠かせません。キャリーバッグやリード、フードや飲み水、排泄用のシートやビニール袋を常備しておきましょう。普段から使い慣れた毛布やおもちゃを用意しておくことで、不安を和らげ、車内でも落ち着いて過ごしやすくなります。
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車載防災グッズを保管する際の注意点

運転席付近のポケットやドア側収納など、視界と手の届く範囲に置いておくのが安心。脱出ハンマーや懐中電灯など、緊急時にすぐ使うものは「手の届く場所」に配置しておくことが大切です。シートの下やトランクにしまってしまうと、いざというときに取り出せず命取りになる可能性もあります。運転席周りのポケットやドア側の収納など、視界に入りやすく手が届く位置に置いておきましょう。
乾電池やモバイルバッテリーは車内に保管しない
夏の車内は高温になるため、乾電池やモバイルバッテリーは膨張や液漏れのリスクがあります。故障や発火の原因にもつながるため、温度変化の激しい車内での保管は避け、自宅などで管理するのが安心です。どうしても車に置く場合は、万が一に備えて、不燃性の保管ケースに入れるなど、安全面を考慮した工夫が必要です。
定期的な入れ替え・点検も忘れずに
防災グッズは一度準備して終わりではなく、定期的な点検や入れ替えが欠かせません。非常食や水には消費期限があり、バッテリーや医薬品も時間とともに劣化します。少なくとも年に1~2回は中身をチェックし、家族構成や季節の変化に合わせて内容を更新しておきましょう。
車のガソリン満タンにしておく
災害時にはガソリンスタンドが営業停止になる可能性があり、ガソリンは非常に貴重な資源です。車を移動手段や避難場所として活用するためにも、日頃からガソリンを満タンにしておくと安心です。停電や避難所の混雑に備え、常に“動ける状態”を保っておくことが、生存率を高める大切な行動につながります。
車の防災グッズは「命を守る装備」

車は災害時に「動ける避難所」として大きな役割を果たします。そのポテンシャルを十分に活かすためには、正しい防災グッズの選定と適切な管理が欠かせません。今日の備えが明日の命を守ります。必要なものを、必要な形で、今から整えておきましょう。
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