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台風による停電への備え|原因から復旧目安・家庭でできる対策も解説

台風発生時には停電のリスクが高まるため、突然の電力喪失に備えておく必要があります。本記事では、台風による停電の主な原因から、停電が家庭に及ぼす影響、復旧までの目安、今すぐできる具体的な対策などを解説します。正しい知識と備えで、台風時のリスクを最小限に抑えましょう。

台風による停電の原因

日本を通過する台風

台風による停電は、強風や大雨など自然の猛威が電力設備に直接影響することで発生します。まずは台風発生時になぜ停電が起こるのか、主な原因を具体的に解説します。

飛来物による電線の断線や破損

台風による強風で飛ばされた看板や屋根材などで、電線が損傷するケースです。空中を舞った物体が電線に接触すると、電気が途絶え停電が発生します。実際に過去の台風でも、飛来物による電線の断線が原因となった停電が多数起きています。

倒木や建物の倒壊による電線・電柱の損傷

強風による倒木や、建物が電線・電柱に倒れかかって停電が発生する場合もあります。倒壊物の影響で設備が損傷し、復旧作業にも時間がかかるため停電が長引く可能性も。2019年に発生した房総半島台風では倒木で多数の電柱が破損し、停電が長期化した事例があります。

土砂崩れによる鉄塔の倒壊

台風による大雨で土砂崩れが起こると、鉄塔が流されて停電が発生するおそれがあります。鉄塔は送電ルートを支える重要な設備で、倒壊すると広範囲で送電不能な状態に陥ります。発電所と変電所間の送電経路が断たれるため、大規模な停電につながりやすいケースです。台風時は、風だけではなく雨による地盤災害にも警戒が必要と言えます。

海風による塩害の影響

沿岸部では台風による海風で塩分が電気設備に付着し、停電が起きる場合があります。塩分が電気設備に付着してしまうと、電気が漏れるため設備が機能しません。また、塩害による停電は台風接近時だけではなく、通過後にも報告されるケースがあります。海沿いの地域では、台風後もしばらく停電への備えをした方が良いでしょう。

台風による停電が引き起こす家庭への影響

停電で困っている男性

台風による停電が発生すると、日常生活のあらゆる面に支障が出ます。冷蔵庫や冷暖房の停止、通信手段の断絶など、家庭に及ぼす影響は多岐にわたります。具体的な影響を確認しておきましょう。

生活インフラが機能しなくなる

停電が起こると、冷蔵庫や調理家電、エアコンなどの生活必需品が使えなくなります。冷蔵庫の食材が腐ったり、電子レンジや炊飯器が使えなくなったりすると食事の準備が困難になるでしょう。また、エアコンが止まると熱中症や低体温症のリスクも高まります。停電対策をしておかないと、日常生活そのものが立ち行かなくなるおそれがあると言えます。

情報や通信が途絶えるリスクがある

停電中は通信機器の充電が行えないため、テレビやスマホが使えず災害情報や連絡手段が絶たれる可能性があります。情報入手や連絡手段の確保は災害時の安全に直結するため、事前に備えをしておく必要があります。

心身へのストレスや健康リスクが発生する

停電が長期化すると、身体的な不調や精神的なストレスが発生しやすくなります。体温調整が難しくなるのに加え、情報不足や先の見えない不安感が精神的な疲労をもたらしてしまいます。ストレスや健康リスクを減らすには、家族での支え合いや安心できる空間づくりが必要です。

台風による停電の復旧目安と長期化するケース

新聞に書かれた停電の文字

台風による停電は短時間で復旧することもあれば、長期間に及ぶ場合もあります。長期間の停電が災害関連死につながった事例も存在します。台風による停電の復旧目安と、復旧が遅れる要因、過去の事例を紹介します。

停電復旧までの平均時間

台風による停電は、状況次第で復旧までに数日かかることがあります。被害の規模や地域の状況によって復旧時間が大きく異なるため、正確に予想するのは難しい傾向にあります。数時間から1日以内で復旧することもあれば短期間での復旧が困難なケースもあるため、長期化を想定した備えが重要です。

停電が長期化する要因

停電の復旧が長引く主な要因は、広範囲かつ深刻な設備被害です。例えば、倒木や土砂崩れによる電柱の倒壊などが起こると、配電網の被害確認と修復に時間がかかります。台風通過後も、現場までのアクセスや通信手段の確保が困難になるケースがあります。

停電が長期化した過去の事例

2019年に発生した台風15号では、停電の復旧までに2週間かかった地域もあります。千葉県内では鉄塔や電柱の倒壊で、広範囲の配電網が寸断されました。この停電により、熱中症などの災害関連死が発生した事例も見られます。過去の教訓を生かし、家庭でも停電が長期化した場合を想定した防災対策をすることが安全につながります。

家庭でできる停電に備えた事前対策

並べられた懐中電灯や電池

停電は突然起こるものなので対策が難しく感じるかもしれませんが、台風が接近する前に備えておくことで心身のストレスを軽減しやすくなります。家庭で取り組める具体的な対策を紹介します。

食料・水を備蓄する

長期間の停電に備えて、食料や水を事前に用意しておきましょう。災害発生時は電気に加えて、水道やガスも止まる可能性があります。冷蔵・冷凍保存が不要で簡単に食べられる保存食や、1人1日3リットルの飲料水を最低3日〜1週間分用意しておくのがおすすめ。普段の食品を多めに買って、使いながら備える方法も効果的です。

▼こちらもご参考ください。

突然の災害に備えるための1週間分の非常食リスト|食品選びや保管のコツも紹介 

懐中電灯や非常用品を準備する

夜間の停電対策として、明かりや火が使えるグッズを準備する必要もあります。暗闇の中での移動は危険なので、明かりによる安全確保は必須です。停電時の必需品になる懐中電灯・カセットコンロ・携帯ラジオ・乾電池は忘れずに備えておきましょう。ガスが止まると火も使えなくなるため、ロウソクやマッチ、カセットコンロもあると安心です。ただし、裸火は火災のリスクがあるので使用時は細心の注意を払いましょう。

スマホなどの充電を確保する

情報収集や連絡の手段として、スマホやパソコンを事前にフル充電しておきましょう。停電時はニュースや安否確認などで、スマホを頼る場面が多くなります。フル充電に加えて、モバイルバッテリーや乾電池式充電器も用意しておくとより安心です。スマホは節電モードを活用すると、充電が長持ちしやすくなります。

冷却グッズを用意しておく

エアコンが使えない状況に備えて、体温調整ができる冷却グッズがあると安心です。夏場の停電では熱中症のリスクが高まるので、氷・冷却ジェル・瞬間冷却パックなどの暑さ対策グッズが必要です。冷却グッズを用意するのが難しい場合は、凍らせたペットボトルを活用してみてください。体温調整にも飲料用にも使えて一石二鳥です。

避難グッズと経路を確認しておく

避難が必要な事態も考えられるので、非常用持ち出し袋と避難経路は事前に確認しておきましょう。ラジオ・飲料水・常備薬などを入れたバッグを玄関近くに置いておくのが理想的です。また、台風の際は暴風雨による災害のおそれもあるため、ハザードマップのチェックも忘れず行いましょう。最寄りの避難所と経路を確認し、被災時にすぐ避難行動に移れるようにシミュレーションをしておくと落ち着いて行動しやすくなります。

ガソリン満タン・灯油プラス1缶を備える

車のガソリンを満タンにして、灯油は1缶多めに用意しておくと停電時の備えになります。照明や冷暖房が使えない停電時において、車は移動手段だけではなく冷暖房が使える避難場所にもなります。また、灯油を1缶多めに備えておくと、石油ストーブや灯油コンロで暖を取ったり、お湯を温めたりできるので、日常に近い生活を確保できます。日常的に「満タン&灯油プラス1缶」を意識すれば、いざという時も慌てず行動できるでしょう。

停電が起きたらすぐにやるべき行動

分電盤を確認する様子

停電が発生した際は冷静な行動が求められます。ここでは、初動で取るべき基本の対処法を紹介します。

停電の範囲を確認する

まずは停電しているのが自宅だけか、近隣一帯かを確認しましょう。停電の原因によって対処法が異なるため、状況の見極めは非常に重要です。周囲の街灯や家の明かりを確認し、広範囲なら電力会社の情報をチェックします。自宅だけの停電の場合は、分電盤を確認してみてください。落ち着いて状況を把握することが、正しい初動につながります。

電源プラグを抜いて火災や故障を防ぐ

発熱機器や精密機器の電源プラグは早めに抜いておくのが基本。停電が復旧すると一気に電流が流れるので、過電流が起こって機器の故障や火災発生のおそれがあります。アイロンやドライヤーといった熱が発生する機器や、テレビやパソコンなどの精密機器は特に注意が必要です。停電直後のすばやい対応で、二次被害を防止しましょう。

避難時は必ずブレーカーを落とす

避難が必要なときは、家を離れる前にブレーカーを落としておきましょう。大雨で浸水した後に電気が復旧すると、ショートや火災が起こるかもしれません。通電火災を防ぐための重要な対策なので避難前は必ずブレーカーを落としたかをチェックして、停電中の安全を確保してください。

台風による停電に備えて、事前の対策を

防災グッズを確認する様子

台風による停電は自然災害のなかでも発生頻度が高く、日常生活に深刻な影響を与えます。正しい知識と食料や燃料などを備えておくと、被害を最小限に抑えられます。事前の対策と冷静な初動対応を意識し、台風シーズンを安全に乗り切りましょう。

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