“ミニマリスト”というと、極限まで物を持たないストイックな生活を思い浮かべる人も多いかもしれません。でも「ゆるミニマリスト」は、そこまで削ぎ落とさなくても大丈夫。自分の“好き”や“快適さ”は大切にしながら、少しだけ物を減らすことで、暮らしの軽やかさや安心感を手に入れることができます。この記事では、無理なく実践できる“ゆるミニマリズム”の考え方や、ミニマル防災などの工夫を紹介します。

そもそも「ゆるミニマリスト」ってなに？

「ゆるミニマリスト」とは、必要以上に物を持たず、自分にとって心地良い暮らしを追求する生き方です。極端に物を減らすのではなく、自分の「好き」や「快適さ」を大切にします。 物を持ちすぎないことで暮らしに余白が生まれ、日常が軽やかに感じられるようになります。完璧を目指さず、気負わずに始められるのも、このスタイルの基本です。 

「ゆるミニマリスト」の魅力とメリット

物を減らすことで、家事の負担や無駄な出費が減り、心にも余裕が生まれます。「ゆるミニマリスト」として暮らすことで得られるメリットや魅力について、見ていきましょう。

家事がラクになる、時間に余白ができる

物が減ることで、掃除や片づけにかかる時間が大幅に減り、家事がぐっとラクになります。洗濯物の量も管理しやすくなり、収納もシンプルになるため、日々の負担が軽くなります。

例えば、「服は季節ごとに10～13着」といったように持ち物を定数化することで、「今日は何を着よう？」と迷う時間も減ります。暮らしが効率化されることで、自然と時間に余白が生まれるのです。

ムダ遣いが減り、お金に余裕が生まれる

「本当に必要？」と買い物前に立ち止まる習慣がつくことで、ムダ遣いが減っていきます。衝動買いや重複購入も自然と減少し、数を決めることで質を重視した物選びにシフトできます。

「年間12着まで」といった制限を設けることで、ムダを抑えつつ満足感のある買い物ができるように。こうした工夫により、お金にも自然と余裕が生まれていきます。

気持ちにゆとりが生まれ、自分を大切にできる

物の管理や選択の負担が減ることで、気持ちにゆとりが生まれます。「やらなきゃ」に追われることが減り、「やりたいこと」に集中できるようになります。 好きな物だけが残るため、自分らしさを感じられる空間が整うのも魅力。ズボラ収納や手間を省く工夫によって、自分に優しくいられる暮らしが実現します。 

減らしすぎない“備え”で、暮らしと命を守る選択も

「備えたいけれど、物を持つなら日常でも使えるものがいいは増やしたくない」という方にぴったりなのが、“ミニマル防災”という考え方。必要最小限のアイテムを厳選し、安心を得る方法です。

例えば、灯油ストーブやガソリン式発電機は、停電時にも命を守る心強い備えになります。灯油ストーブなら、電気が止まっても暖房として使用でき、灯油コンロがあれば、お湯を沸かせます。夜間には照明代わりにもなり、多機能で頼れる存在です。燃料を多めに備えておけば、長引く停電にも一定期間は対応できます。

量より質を重視することで、日常の暮らしをすっきりと保ちながら、万が一の事態にも備えることができます。

実践者に学ぶ！「ゆるミニマリスト」の暮らし方

実際に「ゆるミニマリスト」を実践する人たちの工夫や習慣から、無理なく続けられるヒントを学びましょう。

季節ごとの服は10～13着でOK

1シーズンあたり10〜13着を目安にワードローブを整えることで、日々のコーディネートがスムーズになります。少数精鋭で着回せる服を揃えるのがポイントです。 定番とトレンドをバランス良く取り入れれば、飽きずに過ごせて気分も上がります。服が厳選されることで収納もスッキリし、クローゼットの管理がぐっとラクになります。

持ち物は数を決めると選びやすい

「メイク道具は10点まで」「バッグは3つまで」など、持ち物に数のルールを設けると、選ぶ手間が省けます。買いすぎを防げるうえ、持ち物の把握や管理もしやすくなるでしょう。「迷わず選べる」ことは、日々の小さなストレスを減らすことにもつながります。“本当に好き”な物が残り、自分らしいスタイルも見えてきます。

「一日一捨」や「定点観測」で定期的に見直す習慣

「一日一捨」は、気負わずに物と向き合える習慣として取り入れやすい方法です。また、クローゼットを定点撮影することで変化が可視化され、管理がしやすくなります。“ちょっとだけ見直す”ことを習慣にすることで、物の増加を未然に防げます。知らないうちに増えている“使っていない物”も、定期的にリセットしやすくなります。

「防災も最小限で最大の安心を」“ミニマル防災”という考え方

ゆるミニマリストにとっての防災は、「増やす」のではなく「厳選する」発想が基本です。例えば、灯油ストーブやガソリン発電機のように、1つで複数の不安をカバーできる備えを選ぶことで、限られた空間でも効率的に対策ができます。必要最小限の備えで「もしも」に対応することで、防災も日常の延長として無理なく続けられます。暮らしを軽やかに保ちながら、安心感を高められるのが“ミニマル防災”の魅力です。

「ゆるミニマリスト」になるための5ステップ

いきなりすべてを手放す必要はありません。無理なく始めて、少しずつ習慣化していくのが「ゆるミニマリスト」への近道です。ここでは、気軽に取り入れられる5つのステップをご紹介します。

Step1：やらないことリストを作る

自分にとって不要なことや物を可視化することで、手放す基準が明確になります。

Step2：一日一捨で気軽にスタート

毎日ひとつ、使っていない物を手放すだけ。負担なく始められる習慣です。

Step3：買う前チェックリストを活用する

衝動買いを防ぎ、本当に必要な物かを見極めるための確認リストを取り入れましょう。

Step4：持ち物の上限を決める

服やバッグなどをジャンルごとに「○個まで」と決めておくと、選ぶのがぐっとラクになります。

Step5：完璧じゃなくていいと自分に許可する

多少ゆるくてもOKと考えることで、挫折せずに心地良く続けることができます。

「ゆるミニマリスト」でも大切にしていること

物を減らすだけでは満たされません。自分らしく心地良く暮らすために、大切にすべきことがあります。詳しく見ていきましょう。

「好きな物」や「ときめき」を削らない

ミニマリズムは“捨てる”ことが目的ではなく、“残す”ための選択です。心が動く物や大好きなアイテムは、暮らしの質を高める大切な存在です。気分が上がる服や小物は、あえて意識して残すようにしてみましょう。「これは私にとって必要」と自信を持って言える物を選ぶことが、満足度の高さにつながります。

暮らしの中に“ごきげん”ポイントをつくる

お気に入りのカップや香りの良い柔軟剤、肌ざわりのいい部屋着など、暮らしの中に小さな“ごきげん”を散りばめることが、ゆるミニマリストの楽しみ方です。量よりも「気分が上がるか」を大切にすることで、少ない持ち物でも満足度の高い暮らしが叶います。

物の総量が少ないからこそ、ひとつひとつの存在感が際立ち、満足度が高くなります。「毎日ちょっと嬉しい」を感じられる工夫が、無理なく続けるコツです。

「がんばらない収納」「ズボラ動線」もOK

収納や整頓は、必ずしも“完璧”を目指す必要はありません。例えば、ハンガー収納から浴室乾燥を経てそのままクローゼットにしまうといったズボラ動線も、実用的で真似しやすい工夫です。

例えば、服がすべり落ちにくく薄型のハンガーのような便利グッズを使えば、洗濯→乾燥→収納の手間もぐっと軽減できます。使いやすくてラクに戻せる仕組みをつくることが、ゆるミニマルの基本です。

防災グッズは“安心の核”になる物を見極める

灯油ストーブや携帯発電機のように、1つで多機能な備えはミニマルな暮らしと相性が良く、効率的に安心を確保できます。信頼できる1点を選ぶことで不安が軽減され、収納スペースを圧迫することもありません。備えにも自分なりの基準を持つことが、ゆるミニマリストらしい防災の考え方です。

「ゆるミニマリスト」のおすすめアイテム＆愛用品

少ない持ち物でも快適に暮らすには、日々の使い勝手や気分を上げてくれるアイテムが欠かせません。長く愛用したくなるアイテムをチェックしましょう。

洗いやすく乾きやすい服、アイロンいらずが最強

速乾性があり、ノーアイロンで着られるシャツやカットソーは、家事のストレスを減らす心強い味方です。「アイロンがけ不要」で選ぶだけで、日々の管理がぐっとラクになります。

乾きやすくシワになりにくい服は、旅行や子育て中にも重宝し、見た目と快適さを両立。手間のかからない服を選ぶことで、毎日の満足度も自然と高まります。

収納は“見える化”＋“かける”が基本

ハンガー収納で全体を“見える化”すると、持ち物をひと目で把握でき、管理がぐっとラクになります。クローゼットは稼働率100％を目指すことで、常に整った状態をキープ。

使うたびに戻すだけのシンプルな動線をつくれば、散らかりにくくリバウンドもしにくくなります。統一感があり薄型のハンガーを使えば、見た目もスッキリと整います。

使い切りコスメ・マルチユースアイテムで身軽に

「使い切れる量と種類」に厳選するのが、ゆるミニマリスト流。リップをチーク代わりに使ったり、保湿剤を全身に使ったりと、“ひとつで何役”もこなせるアイテムを活用することで、持ち物をぐっと減らせます。

メイクアイテムは10点までと上限を決めて管理するのがおすすめ。使い切る楽しさと身軽さを両立できるアイテム選びがポイントです。

「防災アイテムにも“お気に入り”を」見直しと選び方の工夫

防災グッズは「とりあえず揃える」ではなく、自分に合った物を選ぶことが大切です。例えば、灯油ストーブや発電機のように、長く使えて信頼できる1点に絞れば、管理もスムーズになります。好きな色やデザインで揃えることで、日常になじみやすいでしょう。

「ゆるさ」と「安心」が両立する、「ゆるミニマリスト」暮らしを楽しもう

「ゆるミニマリスト」とは、ただ物を減らすことが目的ではなく、暮らしを心地良く整えるための手段です。家事やお金、気持ちに余白が生まれ、自分を大切にする感覚を少しずつ取り戻せます。好きな物を大切にしながら、必要な備えも無理なく取り入れられるのがこのスタイルの魅力です。灯油ストーブや多用途の防災グッズなど、最小限で最大の安心を叶えるアイテム選びもポイント。完璧を目指さず、自分のペースで「ちょうどいいミニマルライフ」を楽しんでいきましょう。