プレッパーとは?注目される背景や未曽有の災害に備えるべきこと
近年、災害や緊急事態が頻発する中、サバイバル意識を持つ「プレッパー」という人々が注目されています。プレッパーは、自己防衛や自給自足を目指し、日常生活の中で災害時に備えた準備を進めています。本記事では、プレッパーとはどのような人々なのか、彼らが行っている備えや、私達が学ぶべき対策について解説します。未曽有の災害に備えるための知識を身につけましょう。
プレッパーとは?
まずはプレッパーとはどのような人々を指し、どのような備えをしているのかを解説します。
プレッパーは最悪の事態に備えて万全な対策をする人々
プレッパーとは、災害や緊急事態に備えて自給自足の生活を志向する人々を指します。彼らは食料や生活必需品を備蓄し、自己防衛やサバイバル技術を身につけることで、外部の支援なしで生き延びる準備をしています。「プレッパー」という言葉は、英語の「prepare(準備する)」が語源です。災害対策や生存準備を行う活動は「プレッピング」と呼ばれています。
プレッパーはアメリカで増加
アメリカでは冷戦期から、核戦争や自然災害、経済崩壊などに備えてプレッパーと呼ばれる人々が存在してきました。彼らは核シェルターを所有し、食料備蓄や防災設備の設置を行っています。
例えば、プレッパーは以下のような備えを行っています。
・1年分の水や食料、日用品、燃料、医薬品、ガスマスクなどを大量に備蓄する
・シェルターに食料や日用品を蓄え、災害が過ぎ去るのを待機する。換気設備のメンテナンスを行い、シェルターがない場合は窓やドアを補強し、家の外観を汚くすることで侵入者を防ぐ
・武器や防弾チョッキを用意し、射撃や護身術を練習する。携行しやすいバックパックに必要な装備をまとめる
プレッパーは過激な危機対策を講じる人々として見られていた時期もありましたが、実際には極端な人ばかりではなく、自然災害に対する一般的な備えをする人も多くいます。ここ数年でプレッパーの対策が見直され、彼らのように備えをする人も増えてきています。
プレッパーが注目されている背景
最悪の事態に備えて対策を講じるプレッパーは、新型コロナをきっかけに注目されるようになりました。近年は自然災害も頻発しており、そのたびに防災の重要性への認識が高まっています。ここでは、プレッパーが注目されている背景について解説します。
新型コロナの影響でプレッパーの重要性を再認識
新型コロナウイルスの影響で、プレッパーの生活スタイルが注目されるようになりました。プレッパーは十分な備蓄を持っていたため、パンデミックの混乱にも対応できたためです。
多くの人が在宅勤務や外出自粛に直面する中、非常時の備蓄や自給自足に関心を持つ人々が増え、プレッパーの考え方が広がるきっかけになりました。
予期せぬ異常気象や自然災害
異常気象による災害が頻発しており、備蓄の重要性が高まっています。近年は、カリフォルニアの森林火災やテキサスの寒波、フロリダのハリケーンなど、アメリカ各地で大規模な自然災害が続発しました。
このような状況を受けて、米連邦緊急事態管理局(FEMA)は防災備蓄を最低3日分から、1週間分へと推奨を強化し、日本政府も同様に備蓄を推奨しています。プレッパーのように備蓄や自給自足を行うことで、災害時のリスクを減らすことが可能です。
ミニマリストからプレッパーへ
シンプルな生活を追求するミニマリストから、備えを重視するプレッパーへの転向が増加しています。異常気象やパンデミックを経験する中で、持続可能な生活への意識が高まり、自給自足や防災備蓄に取り組む動きが注目されています。
プレッパーは生活必需品を最低限に抑えながらも、災害に備えるために食料や水などの必需品を確保することを重視。このように、シンプルな暮らしを保ちながらリスク管理に意識を向けるスタイルが新たな潮流として広がっています。
プレッパーの対策から学ぶこと
アメリカの過激なプレッパーのような極端な行動は必要ありませんが、彼らの行動からは多くを学べます。ここでは、プレッパーの対策から学ぶべき点を紹介します。
飲料水の備蓄は最重要
プレッパーが災害時に最も必要とするものの一つが飲料水の備蓄です。人間は水がないと3日以上生きられないため、水の備蓄は非常時の最優先事項となります。洪水などの災害で水の供給が止まると、飲料水が不足するだけではなく、健康被害が発生する可能性もあります。
アメリカのFEMAは、災害期間中に1人あたり1ガロン(約3.8リットル)の水の備蓄を推奨。日本でも、1人あたり3リットルを確保することが推奨されています。飲料水を確保することで、万が一の際に健康リスクを減らすことができます。
食品は食べ慣れたものを準備
災害対策として、普段食べ慣れている食品を備蓄することは非常に重要です。緊急時には、初めての食材や特殊な食材よりも、普段から食べ慣れているものの方が安心感を与えてくれます。特に、高カロリーで栄養価があり、調理不要な食品が役立ちます。
アメリカのFEMAや日本政府は、最低3日分の食品備蓄を推奨。家族が好む缶詰やレトルト食品、シリアル、ナッツ類などを準備すると良いでしょう。慣れ親しんだ食品を用意することで、災害時のストレスを軽減し、健康を維持しやすくなります。
家庭用発電機があると便利
災害時に家庭用発電機があると、電力供給が途絶えた場合でも必要な機器を動かせます。停電が長引くと、冷蔵庫や暖房器具、エアコンが使用できなくなり、食料の腐敗や熱中症などのリスクが高まります。必要最低限の電力を確保できれば、災害時の生活の質が向上するでしょう。
家庭用発電機には、携帯充電やラジオの電源供給が可能な手回しタイプから、冷蔵庫や家電を動かせる中型のガソリン発電機まで、さまざまな種類があります。必要な電力量を考慮し、自分に合った発電機を選ぶことで、災害時のリスクを軽減できます。
避難計画は必ずペットも含める
避難計画にはペットも含めることが不可欠です。災害時、ペットはパニックに陥りやすく、はぐれてしまうと再会が困難になる可能性があります。事前にペットの食料や水、連絡先を書いた名札、マイクロチップを準備しておくと、万が一の際に安心です。
避難中は可能な限り飼い主の近くにペットも避難できるよう準備しておきましょう。ペットを車内に放置することがないよう注意してください。
大災害から命を守るためにまずやるべき防災対策
プレッパーのようにサバイバルができるよう1年分の備蓄とまではいかなくても、防災対策を講じておくことで、命を守ることにつながります。まずやるべき防災対策をチェックして、災害に備えましょう。
家具の置き方を工夫する
日本は地震が多い国です。家具の配置や固定をすることで、大地震時に家具が倒れるリスクを防げます。家具が倒れると避難経路を塞ぐだけではなく、怪我の原因にもなります。
背の高い家具は壁にしっかりと固定し、寝室や子ども部屋には可能な限り家具を置かないようにしましょう。また、重いものや本などは棚の下に配置することで安全を確保できます。さらに、懐中電灯やホイッスル、スリッパを手の届く場所に置き、停電時やガラスの破片による怪我に備えることも重要です。
最低3日~1週間分の備蓄をする
災害に備え、家庭内に最低3日から1週間分の水や食料を備蓄しておくことは非常に重要です。災害でライフラインが停止すると、飲料水や食料を手に入れることが難しくなり、家庭での備蓄が生存に直結します。
目安として1人あたり1日3リットルの水や、アルファ米、乾パン、ビスケットなど長期保存が可能な食品を準備し、トイレットペーパーや簡易トイレも用意しましょう。また、生活用水も確保できるよう、ポリタンクに水を貯めておくと便利です。
さらに、燃料の確保が難しくなることを想定し、車のガソリンは半分程度になったら満タンにし、灯油も1缶多めに備蓄しておくと安心です。ただし、灯油は使用シーズン内に使い切り、翌年に持ち越さないように管理してください。
▼以下の記事では必要な備蓄品を厳選して紹介しています。
【防災グッズ】本当に必要なもの7選|災害に備えて家庭で行うべき対策も
家族で安否情報の確認方法を共有する
災害が発生し、家族が別の場所にいる場合でも安否を確認できるように、集合場所や連絡方法を事前に話し合っておくことが大切です。通信障害が発生する可能性も考慮し、携帯電話だけに頼らず、「災害用伝言ダイヤル(171)」や「災害用伝言板」を活用する準備を整えておきましょう。
災害用伝言ダイヤル(171)は電話で伝言の録音・再生ができるサービスです。また、災害用伝言板はインターネット上で安否情報を文字で登録できます。
プレッパーから学び未曽有の大災害に備えよう
プレッパーは、最悪の事態に備えて日常から徹底した準備をしています。すべての人がプレッパーのように行動する必要はありませんが、最低限の備蓄や対策は大切です。大災害時には、備えが命を守る鍵になります。今日からできる防災対策を見直し、家族とともに安全を確保しましょう。
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