【防災に役立つ知識】震度とマグニチュードの違い・震度別の対策
震度とマグニチュードの違いを理解し、適切な対策を取ることは地震への備えに欠かせません。本記事では、震度ごとの揺れや被害の目安、停電やライフラインの影響などを詳しく解説し、いざという時に役立つ防災グッズや行動指針を紹介します。地震対策を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてください。
震度とマグニチュードの違い
地震に関する情報を目にする際、震度とマグニチュードという言葉がよく使われますが、この2つは全く異なる概念です。まず震度は地震の揺れの強さを表すもので、地域ごとに異なる数値が報告されます。一方、マグニチュードは地震そのものの規模を示す数値で、地震のエネルギー量を表すものです。
電球を例にすると、電球の明るさ(光の強さ)がマグニチュードであり、その光が遠くに届くにつれて暗くなる様子が震度と考えることができます。つまり、マグニチュードが大きくても、震源から遠ければ震度は小さくなります。
参考元:気象庁│震度について
震度について
震度は人々が感じる揺れの強さを数値化したもので、震度0から震度7まで細かく分類されています。震度5強以上の中規模地震が発生すると、日常生活に大きな支障をきたす可能性が高まり、建物やライフラインへの被害も想定されます。震度6強から震度7の地震ともなれば、広範囲で甚大な被害が発生する恐れがあります。
気象庁が定める震度は0~7
気象庁の震度階級は、震度0、震度1、震度2、震度3、震度4、震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7の10段階です。震度8が存在しない理由は、過去に震度7を超える地震が観測されていないこと、そして震度7以上では防災上区分する必要がないほど甚大な被害が発生することから、これ以上の階級は設けられていません。
震度ごとの揺れや被害の目安
震度ごとの体感や屋内外の被害の目安を表形式で紹介します。
震度 | 体感・行動 | 屋内の状況 | 屋外の状況 |
3 | 屋内で静かにしている人の大半が揺れを感じる。目を覚ます人もいる | 電灯がわずかに揺れる | 電線が少し揺れる |
4 | ほとんどの人が驚く | 電灯などが大きく揺れ、棚にある食器類が音を立てる。据わりの悪い置物が倒れることがある | 電線が大きく揺れる。自動車を運転中の人が揺れを感じることがある |
5弱 | 大半の人が怖がる。物につかまりたいと感じる | 電灯が激しく揺れ、棚にある食器や本棚の本が落ちることがある。据わりの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が動くことがある | 電柱が揺れる、窓ガラスが割れることも。道路に被害が生じることがある。 |
5強 | 大半の人が物につかまらないと歩くことが難しくなり、行動に支障をきたす | 家の中でいろいろなものが落ちる。テレビが台から落ちたり、固定していない家具が倒れたりすることがある | 窓ガラスが割れて落ちたり、補強されていないブロック塀が崩れたりすることがある。据え付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。 |
6弱 | 立っていられない | 固定していない家具の大半が移動し、倒れる。ドアが開かなくなることがある | 耐震性の低い木造建物は瓦が落下したり、建物が傾いたり、倒れるものもある |
6強 | 立っていられず、飛ばされることも | 固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる | 耐震性の低い木造建物は傾くものや倒れるものが多くなる。大きな地割れが生じたり、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生したりする |
7 | 同上 | 固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある | 耐震性の低い木造建物や傾くもの、倒れるものがさらに多くなる。耐震性の高い木造建物でも、まれに傾くことがある。耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では、倒れるものが多くなる |
ライフラインへの影響が考えられる震度
地震の揺れが強くなると、ライフラインへの影響も大きくなります。以下の表は、各震度でのライフラインの影響をまとめたものです。
ガス供給の停止 | 震度5弱程度でガスメーターの安全装置が作動し、ガスの供給が自動的に停止する |
断水・停電 | 震度5弱以上で断水や停電が発生する可能性がある |
鉄道や高速道路の運行停止・規制 | 震度4以上で鉄道が運行を停止したり、高速道路で規制がかかったりすることがある |
通信障害 | 震度6弱以上の地震では通信障害が発生し、災害用伝言サービスが提供されることがある |
震度別・地震が起きた時に取るべき行動
地震が起きた際に取るべき行動は、震度に応じて異なります。ここでは、震度ごとの対策について説明します。
震度3以下:軽度の揺れ
■屋内:揺れを感じたら冷静に行動し、避難計画を確認する。照明器具や軽いものが揺れる程度のため、急いで避難する必要はないが、今後の揺れに備えて行動計画を確認する。
■屋外:電柱や看板には近寄らず、建物のガラスが割れる可能性があるためすぐに安全な場所へ移動する。
震度4:中程度の揺れ
■屋内:頭を守り、テーブルや机の下に避難。本棚や家具が倒れないように固定されているかを確認する。揺れが収まった後、火の元を確認し、ストーブやガスコンロが倒れていないかチェックする。
■屋外:高層ビルのエレベーターは停止する可能性があるため、階段を利用。建物の外壁や窓ガラスが落下する可能性があるため、建物から離れる。
震度5弱:強い揺れ(軽い被害の可能性)
■屋内:テーブル下に避難し、落下物から身を守る。家具や家電製品が倒れる恐れがあるため、揺れが収まるまで動かない。揺れが収まった後は、家族と避難計画を再確認する。
■屋外:ガラスやブロック塀の倒壊に注意して、広い場所に避難する。車を運転中の場合は、徐行しながら安全な場所に停止する。
震度5強:非常に強い揺れ(被害の可能性が高い)
■屋内:倒れやすい家具からできるだけ離れ、頭を保護する。揺れが収まった後、すぐに電気やガスの安全を確認し、避難が必要な場合は安全な場所に移動する。
■屋外:高層ビルの付近や、電線・鉄塔の近くには近寄らない。道路が損傷している可能性があるため、車を運転中の際は徐行し、危険な場所を避ける。
震度6弱:激しい揺れ(中程度の被害)
■屋内:落下物や倒れた家具に注意し、テーブルの下などで身を守る。家の中の安全な出口を確認し、避難を考える。特にガスや電気系統の確認を行う。家具の固定が不十分な場合、家具の配置や固定を見直す。
■屋外:壁や建物のガラス、瓦などが落下する可能性が高いので、建物からできるだけ離れて広い場所に避難。橋やトンネルなども危険な場合があるため、通行は避ける。
震度6強:極めて強い揺れ(大きな被害の可能性)
■屋内:揺れの最中は、すぐに身を低くして頭を守る。頑丈な家具の下に隠れる。揺れが収まったら、ガスや電気の確認を行い、安全を確保する。屋内に留まる場合は、崩れやすい壁や天井から離れる。
■屋外:高いビルや電柱の倒壊リスクが高いため、広い場所に避難する。地割れや土砂崩れの危険があるため、山間部や海岸には近づかない。
震度7:猛烈な揺れ(甚大な被害の可能性)
■屋内:屋内にいる場合は、すぐに頑丈なテーブルや家具の下に隠れて、頭を守る。揺れが収まるまで絶対に動かない。揺れが収まった後は、家の中の損傷を確認し、避難が必要な場合は速やかに避難所に移動する。携帯電話やラジオで地震情報を確認し、安全な行動を取る。
■屋外:倒壊する建物や落下物のリスクが非常に高いので、広い公園やグラウンドに避難する。大規模な地割れや土砂崩れの危険があるため、斜面や山間部には近づかない。道路状況が不安定なため、車の移動は避け、徒歩で避難する。
地震による停電のリスクに備えて備えるべきもの
震度5弱以上の地震では、停電のリスクが高まります。防災行動のひとつとして、必要なグッズの備えを再確認しましょう。
防災用品
懐中電灯や携帯ラジオ、モバイルバッテリーなどをすぐに取り出せる場所に用意しておくと安心です。飲料水や、マンションでポンプが止まって水が供給されなくなった場合の生活用水、食料品などもしっかり準備しましょう。また防災用品の置き場所を、普段から家族で共有しておくことも大切です。
▼こちらの記事を参考に。
燃料
停電によって暖房器具が使えなくなると、最悪の場合低体温症を引き起こしかねません。車の燃料を満タンにして、灯油もプラス1缶用意しておくと、自宅避難が厳しい状況でも車内で過ごせたり真冬に暖を取れたりと、重宝します。
震度とマグニチュードの違いを理解し、備えよう
震度とマグニチュードの違いを理解することは、地震に対する正しい備えをするために重要です。各震度に応じた行動や防災グッズを準備し、いざという時に冷静に対処できるように心がけましょう。普段から家族で避難経路や非常時の対応を確認し、防災意識を高めることが被害を最小限に抑える鍵となります。
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