大雪の影響で停電が発生!寒さから身を守るための防災グッズを備えよう
大雪による停電は、寒さによるリスクを高めます。この記事では停電の原因や影響、そして寒さから身を守るために必要な防災グッズや備蓄について詳しく解説。低体温症の危険を避けるため、石油ストーブや非常用電源を備え、雪が少ない地域でも早めの対策を心掛けましょう。
大雪による停電の原因と影響
寒い時期に雪の影響で発生する停電は、暖房が使えなくなるだけではなく、寒くて身動きが取れなくなるなど、過酷な状況をもたらします。大雪が原因で停電が発生する主な理由や、影響を解説します。
重い雪によって電線が切れるなどして起きる
大雪の際、ぼたん雪と呼ばれる水分を多く含んだ重い雪が電線に付着すると、その重みで電線が切断されることがあります。また電線に積もった雪が強風で揺れた際、電線同士が接触してショートが発生し、停電につながる場合もあります。さらに積雪の重みに耐えきれず倒れた木が、電柱や電線にダメージを与えるケースも。
雪があまり降らない地域も例外ではない
大雪による停電のリスクがあるのは、雪国だけではありません。普段雪があまり降らない地域は緯度で見ると南側に位置しているため、ぼたん雪が降る可能性が高いといえます。大雪ともなれば、かなりの被害につながる可能性もあるでしょう。さらに近年は全国的に積雪量が減少する傾向にある一方で、短期間で大量に雪が降る「ドカ雪」が増えています。都市部に住む人も例外なく、大雪予報が出たら早めに対策を取ることが大切です。
低体温症のリスクが高まる
停電により暖房が使えなくなると、屋内でも急激に室温が下がり、低体温症のリスクが高まります。低体温症は体の深部体温が35度以下に低下し、激しい震えや判断力の低下、筋肉の硬直、脈拍や呼吸の減少、血圧の低下などを引き起こし、最悪の場合は「凍死」に至ることも。
一般的に「凍死」というと雪山で遭難した場合などをイメージしますが、実際には屋内で多く発生しています。熱中症よりも低体温症で亡くなる人のほうが多いことは、あまり知られていないかもしれません。特に高齢者は寒さを自覚しにくく、低体温症のリスクがさらに高まります。
近年起きた大雪による停電被害
ここ数年、日本各地で大雪による停電被害が発生しています。これらの事例は、毎年のように大雪による停電が繰り返されていることを示しており、適切な備えが必要です。
北海道胆振東部地震(2018年9月)
2018年9月に最大震度7を記録した北海道胆振東部地震では、地震の影響とその後に降った大雪が重なり、北海道全域での停電「ブラックアウト」が発生しました。暖房や食料保存に深刻な影響を与え、住民の生活に大きな困難をもたらしました。
山形県大雪 (2021年1月)
2021年1月、山形県で記録的な大雪が降り、雪の重みによって電線が切断されて停電が発生。電力供給の復旧には数日を要しました。この期間中、住民は厳しい冬の気候に直面し、非常に困難な状況に置かれました。
新潟県大雪 (2022年12月)
2022年12月には新潟県で大雪による電線の損傷や設備故障が相次ぎ、停電が発生しました。完全復旧までにかかった日数は7日間でした。山間部では雪による道路封鎖が起き、復旧が遅れる傾向にあります。
大雪による停電に備え【寒さから身を守る】
大雪による停電への備えで最も重要なのは、寒さを防ぎ、低体温症にならないようにすること。あまり雪が降らない都市部に住む人も、寒さ対策ができるグッズを準備することをおすすめします。
石油ストーブ・灯油
停電時にはエアコンや床暖房といった暖房器具が使えなくなるため、石油ストーブがあると便利です。石油ストーブは電気を使わずに暖を取れます。オール電化の家庭では停電時に暖房だけではなく調理もできなくなるため、石油コンロも備えておくと良いでしょう。なお灯油は多めに備蓄しておくことをおすすめします。
カセットコンロ
お湯を沸かして体を温めたり、湯たんぽ用に使ったりと、カセットコンロも停電時に重宝します。ガスボンベの消費期限は7年程度が目安のため、普段の生活でも鍋料理などで使いながら入れ替えていくと、備蓄のコストと手間を最小限に抑えられます。
使い捨てカイロ・湯たんぽ
低体温症を防ぐために、石油ストーブに加えて使い捨てカイロを併用しましょう。首筋や足首といった太い血管がある場所に当てると、効率良く体を温められます。
使い捨てカイロの使用期限は2〜5年程度です。あまり多く備蓄しすぎると使用期限内に使いきれない可能性があるため、今年と来年の分をストックすると良いでしょう。また、湯たんぽも家族全員の分を用意しておきます。
大雪による停電に備え【生活・健康を守る】
大雪による停電時には、寒さ対策だけでなく、生活や健康を守るための備えも重要です。情報収集ができるツールや飲食料品、灯りなどは常に常備しておくべき防災グッズです。
非常用電源(モバイルバッテリーなど)
停電時には、スマートフォン用のモバイルバッテリーが必需品です。テレビが使えない状況では、スマートフォンは情報収集のための重要なツールとなり、家族や友人との連絡手段としても命綱的な存在です。より容量が大きくコンセントが使えるポータブル電源や小型蓄電池があれば、家電も使えます。
飲料水
一般的に1日に必要な水の量は1人あたり3リットルとされており、家族の人数分×3日分の飲料水を備蓄しておくことが推奨されています。水が足りない時は、思わず雪を溶かして飲みたくなるかもしれませんが、不純物が多く含まれる雪は飲み水に適しません。
非常食
飲料水と同様に、非常食も人数分×3日〜7日分を備えましょう。常温でも食べられて長期保存可能なレトルト食品や缶詰を、普段から多めに購入しておく備蓄法「ローリングストック」を実践するのがおすすめです。
トイレ用の水
マンションに住んでいる人は、飲料水だけではなく必ずトイレ用の水も備蓄しておきましょう。マンションは敷地内のポンプ設備で圧力をかけて各戸へ水を届けている場合が多く、停電時にはポンプが止まって水が供給されなくなることがあります。どこかへ水を汲みに行ったとしても、階段を上って運ぶのは大変です。また、浴槽に水を張っておくのも良い対策といえます。
なお低層階はポンプを使わず水道管からの圧力だけで水を届けられるので、停電時でも水が出る可能性はあります。
ラジオ
情報収集の手段は複数持っておくのが賢明です。通信障害が起きてスマホがうまく使えない時にもラジオがあれば役に立つでしょう。電池式や手回し充電式の防災ラジオがおすすめです。
懐中電灯・ランタン
手元や足元を照らす懐中電灯は1人1つ、部屋全体を照らすランタンは最低1つ準備しましょう。大雪の時は雪雲が空を覆うため、昼間でも薄暗く明かりが必要になることがあります。机などに置いて使える自立型、移動用の手持ちタイプなど、用途別に多めに準備しておくのがおすすめです。
大雪予報が出たら停電への備えを
大雪による停電に備えるためには、寒さから身を守る防寒グッズや生活を維持するための非常用電源、飲食料品などを十分に備えておくことが重要です。寒冷地に住む方も、普段あまり雪が降らない地域に住んでいる方も、異常気象に備えて準備を怠らないようにしましょう。また家族全員で停電時の対応について話し合い、緊急時に慌てずに対応できるようにしておくことも大切です。
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