記事一覧
  • TOP
  • 避難方法
  • 災害時のペットとの避難はどうする?備蓄品や注意点、ペット...
猫と一緒に避難する女性

2024/09/27

災害時のペットとの避難はどうする?備蓄品や注意点、ペット別の避難方法を解説

災害が起きた時にペットとの避難はどうするべきか、悩む飼い主も少なくありません。大切なペットと一緒に避難ができるのか、避難時に必要な備蓄品や持ち出し品について詳しく解説します。避難するうえでの心構えや日頃からのしつけの方法、ペットの大きさ別の避難の仕方についても解説します。

ペットとの避難はどうする?一緒に避難できる?

猫をケージに入れて避難する人


災害が起きた時にペットと一緒に避難することは可能ですが、避難所で受け入れてくれるかを事前に確認しておくことが大切です。ペットとの同行避難について知っておきましょう。

ペットは同行避難が原則

災害時のペットの扱いは、同行避難が基本です。東日本大震災では、ペットと飼い主が離れ離れになる事例が多く発生しました。ペットを探すには労力も時間もかかり、ペットが衰弱して死亡する恐れもあります。不妊去勢手術をしていない場合、繁殖する可能性もあり、動物愛護の観点からも避難所への同行避難が推奨されています。

物愛護の観点からも避難所への同行避難が推奨されています。

出典:環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」

ペットとの同行避難ができない避難所もある

同行避難とは飼い主とペットが一緒に避難することを意味しますが、すべての避難所がペットの受け入れを可能としているわけではありません。居住区指定の避難所によっては、避難できない場合もあります。避難所に到着した時に「ペットはお断り」ということがないよう、事前に確認しておくと安心です。

ペットと同じ場所とは限らない

避難所がペット同伴可でも、必ずしも同じ場所で過ごせるわけではありません。人間とペットの生活スペースを別々にしている避難所も少なくありません。避難所によってはペット専用の部屋や屋外スペースでペットを管理する必要があります。

「同伴避難」は、ペットと同じスペースで過ごす意味で使われることもありますが、必ずしも完全に同じスペースで生活するとは限りません。避難所によっても意味が異なるため、確認することをおすすめします。なお、盲導犬や介助犬、聴導犬などは同じ場所での避難が認められています。

避難所のペット不可の対策も考えておく

避難所がペットの受け入れを不可とする場合の対策も考えておきましょう。自家用車やテントで飼い主と一緒に過ごした被災者の例もあります。また、知人や親戚に預けるケースもあるため、事前に預かることが可能か問い合わせておくと良いでしょう。

ペット用の備蓄品と持ち出し品

ペット用の備蓄品

環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」に基づき、ペット用の備蓄品と持ち出し品を優先順位の高いものから紹介します。必要なものをチェックする際の参考にしてください。

優先順位①ペットの健康や生命に関わるもの

ペットに必要な物資を備蓄し、必要な場合には持ち出せるようにしておきましょう。避難所にペット用の支援物資が届くまで時間がかかることも想定されます。フードは避難の長期化に備えて、5日分から1週間分以上用意するのがおすすめです。療法食などの特別食が必要なペットの場合は、多めにフードを備蓄しておく必要があります。

普段食べているペットフードと同じ物が手に入るとは限らないため、日頃からペットが好き嫌いなく食べられるように慣らしておくと良いでしょう。

リードやハーネスは、複数本余分にあると安心です。全てに記名をしておくと紛失した際に見つけやすくなります。

▢ペットフード/水

▢療法食/薬

▢食器

▢キャリーバッグ/ケージ

▢リード/ハーネス/予備の首輪

▢ペットシーツ

▢トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)

▢排泄物の処理用具

優先順位②飼い主とペットに関する情報

ペットの飼い主が誰なのかわかるようにしておくと、迷子になった時に役立ちます。ワクチン接種率や病院履歴の情報もわかるようにしておきましょう。

▢飼い主の連絡先

▢飼い主以外の緊急連絡先・預け先

▢マイクロチップ、迷子札※事前装着

▢ペットの写真(印刷物・スマホ画像も有効)

▢ワクチン接種・既往症、投薬中の薬・検査結果・健康状態

▢かかりつけの動物病院の情報

優先順位③ペット用品

ペットのケアをする日用品も必要です。

▢ブラシ

▢タオル/ウェットタオル/清浄綿(目や耳のケアなど)

▢ビニール袋(排泄物の処理など)

▢おもちゃや匂いがついた用品

▢洗濯ネット(猫用:屋外診療・保護の際に使用)

▢ガムテープ(段ボールの補修)

ペットと避難する上での注意点・心構え

ケージに入るコーギー

周囲の人への配慮や迷子対策、避難ルートについて確認しておくことで、急な避難時にも慌てずに対応できます。ペットと避難する際の注意点や心構えを紹介します。

避難先では周囲の人に配慮を忘れない

避難先で吠えるなど周りの人に迷惑にならないように日頃からしつけておくことが大切です。避難している人の中には動物が苦手な人やアレルギーを持っている人もいます。また、不衛生にしているとノミやダニ、感染症などが発生する可能性もあるため、寄生虫の駆除やトリミングなどで衛生的に保つことが重要です。

マイクロチップや名札で迷子対策をする

ペットが迷子になった時に役に立つのがマイクロチップや名札です。災害時はやむを得ずペットを置き去りにして避難したり、はぐれてしまったりすることもあります。

マイクロチップをAIPO(動物ID普及推進会議)に登録しておくと、飼い主の情報がすぐにわかります。マイクロチップを入れていない場合は、名札や狂犬病予防注射済票を装着して、飼い主の氏名や連絡先などがわかるようにしておきましょう。

事前に避難ルートを確認しておく

飼い主は地域の防災計画や自治体の広報誌、ウェブサイトで避難所の所在地や避難ルートを確認しておくと、いざという時に慌てません。避難所にペットを連れて行く際の注意事項は、自治体の情報で確認できます。

家族でペットを連れて避難所へ行く訓練を行い、所要時間や危険な場所もチェックしておきましょう。地域で行われる災害対策の会合や避難訓練で、ペット避難について話し合うことも重要です。

災害に備えたしつけとペットの健康管理

お座りをする犬

ここでは犬と猫が避難する場合に心がけたいしつけと健康管理について紹介します。

犬のしつけと健康管理

犬のしつけと健康管理は次の点を意識しましょう。

  • 基本的なしつけ:「待て」「お座り」「伏せ」「おいで」など
  • 日頃からケージの中に入ることを慣らしておく
  • 不必要に吠えないようしつけける
  • 人やほかの動物を怖がったり攻撃的にならないようしつける
  • 決められた場所で排泄を習慣づける
  • 狂犬病などの各種ワクチンを接種する
  • 犬フィラリア症など寄生虫の予防、駆除をする
  • 不妊・去勢手術をする

猫のしつけと健康管理

猫のしつけと健康管理は、以下の点を意識して行いましょう。

  • ケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく
  • 人やほかの動物を怖がらないようになれさせておく
  • 決められた場所で排泄を習慣づける
  • 各種ワクチン接種をする
  • 寄生虫の予防、駆除をする
  • 不妊・去勢手術をする

【大きさ別】ペットとの避難の仕方

カートに入れられる犬たち

いざペットと避難する時に、何から始めれば良いのか戸惑うかもしれません。ペットに合った避難の段取りを知っておくことが大切です。ペットの大きさや飼育数別に避難の仕方を紹介します。

猫・小型犬・うさぎ(小動物)

猫やウサギなどの小動物は、キャリーバッグやケージに入れて避難します。犬の場合は、首輪が緩んでいないかを確認した後、リードを付けてキャリーバッグやケージに入れましょう。

走って逃げてしまう可能性がある猫や小動物にもリードを付けておくと安心です。ケージやバッグの扉が開かないよう、ガムテープなどで固定します。布をかけてあげると周囲が見えないので、ペットも落ち着けるでしょう。

中型犬・大型犬

中型犬や大型犬は、首輪が緩んでいないか確かめた後、リードやハーネスを付けて歩いて避難します。ガラスなどでケガをしないよう、足の裏をテープで保護したり、履物を履かせたりするのもおすすめです。

複数以上のペット

災害時に1人で複数のペットと一緒に避難するのはリスクが高くなります。1人1頭ずつ運ぶのが基本ですが、どうしても1人しかいない場合は、猫2〜3匹ならみんなが入るキャリーバッグに入れて運んでください。犬であれば動物用のワゴン車を準備しておくと良いでしょう。

日頃から災害に備えてペットとの避難をスムーズに行えるようにしよう

ケージ入れた犬を車に入れる女性

災害が起きたときは、ペットとの同行避難が原則ですが、避難場所によっては一緒に過ごせない場合があるため確認しておくと安心です。ペットの健康管理やしつけも日頃からしておくことで、避難所の人への配慮やペットへのストレス軽減にもつながります。

いざという時に慌てないように、備蓄品の準備も忘れずに行いましょう。ペットの備蓄品以外に、ガソリンを満タンにしておくと車内が一時的な避難所になり、ペットと一緒に過ごすことができます。冬場は灯油を一缶多めに保管しておけば、停電時に暖をとるためのストーブにも活用できるでしょう。


#ペット

#災害対策

#避難方法