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青空の下のガソリンスタンド

ガソリンスタンドは地震に強い建物!災害時の役割【住民拠点SS】についても解説

地震や災害の発生時、安心できるインフラの1つとして注目されるのがガソリンスタンドです。耐震性、耐火性に優れた構造をしたガソリンスタンドは、災害時には地域の安全ステーションとしても重要な役割を果たしています。ここではガソリンスタンドの構造や役割、さらに「住民拠点SS(サービスステーション)」について詳しく解説します。

ガソリンスタンドが地震に強い理由

夕暮れのガソリンスタンド

ガソリンスタンドの安全性が注目されたのは、1995年に起きた阪神淡路大震災の後。各地で甚大な被害が出る中、ガソリンスタンドは壁などに一部破損が見られたものの、倒壊や火災の被害報告はありませんでした。危険物を扱うことから消防法で定められた厳しい建築基準をクリアし、一般の建物よりも耐震性、耐火性に優れたガソリンスタンドの構造について紹介します。

コンクリート造

ガソリンスタンドの建物は原則としてコンクリート造です。コンクリート構造は頑丈さが特長で、構造部材を鉄筋で補強してコンクリートでしっかり接合することで、高い耐震性と耐久性を実現しています。この構造により、ガソリンスタンドは大きな地震にも耐えることができるのです。

耐震・防火壁

ガソリンスタンドが地震に強いもう1つの理由は、地震の揺れを吸収する耐震壁です。通常は建物の外壁に耐震壁を設置するのが一般的ですが、ガソリンスタンドでは建物内部にも耐震壁が設けられています。これによって地震の揺れが建物全体に分散され、倒壊のリスクが大幅に軽減されます。

また阪神淡路大震災では、ガソリンスタンドの壁が火災の広がりを防ぐ役割を果たしたケースも多く見られました。2004年に発生した中越地震でも、ガソリンスタンドの被害は少なかったとされています。

二次災害を防ぐ地下タンク

ガソリンスタンドのタンクは、耐震目的で地下に埋設されています。地下タンクの上には厚い鉄筋コンクリートで覆われた地盤があり、これが地震による変形や破損のリスクを減少させます。また地下タンクは火災が周囲で発生しても引火しない構造になっていて、二次災害を防ぐ役割も担っているのです。

ガソリンスタンドは地震などの災害時に頼れる存在

頑丈なコンクリート造のガソリンスタンド

ガソリンスタンドは、単に燃料を提供する施設にとどまらず、地域の安全ステーションとしても重要な役割を果たしています。災害時には、ガソリンスタンドが避難所や情報提供の拠点として活用されることがあります。

ガソリンスタンドの特性

夜も明るいガソリンスタンド

公道に面していて夜間でも明るい 

ガソリンスタンドの大きな看板や明るい照明は、夜間でも目立つ存在です。これにより、屋外にいる避難者も、ガソリンスタンドの灯りを頼りにできます。

早朝から深夜まで営業時間が長いこと

災害はいつ何時起こるかわからないもの。多くのガソリンスタンドは、早朝から深夜まで営業しているため、災害時の緊急対応に役立ちます。

消防署の救急救命講習を受けたスタッフが在籍していること

一部のガソリンスタンドでは、消防署の救急救命講習を受けたスタッフが在籍しています。災害時には、彼らによる応急処置やサポートが期待できるでしょう。

市街地に程良い間隔で点在していること 

ガソリンスタンドは市街地に適度な間隔で配置されており、災害時にアクセスしやすいというメリットがあります。

これらの特性により、ガソリンスタンドは地域の安全ステーションとして注目されています。

過去にガソリンスタンドが避難所として活用された事例

2011年の東日本大震災では、多くの被災地でガソリンスタンドが避難場所として利用されました。これらのガソリンスタンドでは、一時休憩所として飲料水やトイレの提供、ラジオやテレビによる情報提供、地図を使った道路情報の提供などが行われました。また消防署の救急救命講習を受けたスタッフが配備されているガソリンスタンドもあり、地域社会の安全のための重要な役割を果たしました。

地震が起きた時にも心強い存在「住民拠点SS(サービスステーション)」とは

災害時にも給油できる住民拠点SS

近年、地震や災害時にさらなる支援が求められる中で、「住民拠点SS」が増えています。住民拠点SSは、災害時に継続的に給油ができる施設として整備されています。

災害による停電時でも給油ができるSS

住民拠点SSは自家発電設備を備え、災害による停電時にも継続して給油が可能です。この自家発電設備は平時から点検を行い、正常に稼働することが定められています。これにより、災害時のライフラインを確保するための重要な役割を果たしています。

例えば2016年4月の熊本地震や、2018年9月の北海道胆振東部地震では、住民拠点SSが重要な拠点として機能しました。さらに2019年の台風15号による千葉県での大規模停電時でも、自家発電設備を持つ住民拠点SSは営業を維持し、地域の安全を守りました。

近くの住民拠点SSを検索してみよう

2024年2月29日時点で、全国約28,000箇所のSSのうち、14,431箇所が住民拠点SSとして指定されています。資源エネルギー庁のウェブサイトでは、住民拠点SSの位置をマップで調べることができます。地域の住民拠点SSを事前に把握しておけば、災害時に役立つ情報となるでしょう。ぜひ以下のサイトでチェックしてみてください。

資源エネルギー庁│住民拠点サービスステーションについて

資源エネルギー庁│住民拠点サービスステーション等検索

「満タン&灯油プラス1缶運動」について

ガソリン満タンのメーター

ガソリンスタンドが地震などの災害時に頼りになる存在であることは間違いありません。しかし、災害時には多くの人がガソリンを求めて殺到し、供給不足が発生する可能性があります。こうしたリスクに備えるために、実践したいのが「満タン&灯油プラス1缶運動」です。

もしもの時のために燃料備蓄を推奨する運動

ガソリンスタンドが地震に強いとはいえ、災害が発生した際には長蛇の列ができることや、物流の停滞によるガソリンの供給不足が容易に想像できます。それに地震以外にも大雪などでガソリンスタンドが営業できなくなることもあります。さらにガソリンスタンドは危険物を扱っていることから、災害後に営業再開するために安全点検が必要な場合があり、能登半島地震では一部損傷が見つかり修理に時間がかかった例もあります。

だからこそ、車の燃料メーターが半分になったら満タンを心がけ、灯油は1缶多めに保管することが大切です。

満タン&灯油プラス1缶を実践するメリット

思いがけない災害に見舞われると、誰しも混乱したり、不安を抱えたりすることは想像に難くありません。そんな時にガソリンや灯油の備蓄があれば、安心につながるでしょう。

災害時特有の混雑を回避できる

燃料を満タンにしておけば、発災直後の混雑したガソリンスタンドに並ぶ必要がなくなり、燃料切れの心配が軽減します。

一時的な車中避難に役立つ

自宅で被災した場合、ガソリンが十分にあれば車内で冷暖房を使ったり、ラジオで情報を収集したり、スマートフォンを充電したりできます。

停電時の防寒対策になる

灯油の備蓄があれば、停電時でも石油ストーブで暖がとれます。ホームタンクがある地域でも、プラス1缶の備蓄を意識することが重要です。

ガソリンスタンドは地震の時にも安全な頼れる存在

地震に強いガソリンスタンド

ガソリンスタンドは、その耐震性・耐火性に優れた構造により、地震などの災害時にも安全な施設です。また停電時にも給油ができる住民拠点SSの存在が、地域のライフラインを支える重要な役割を果たしています。さらに「満タン&灯油プラス1缶運動」を実践することで、いざという時の備えを万全にしておきましょう。

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