2024/07/01
防災備蓄とは?賢い選び方と効率的な管理で家族の安全を守ろう
防災備蓄とは、災害時に自給自足を可能にするための生活必需品を備えておくこと。家族の安全を守るためにも、飲料水や非常食、生活用品、衛生用品を常に備えておきましょう。家族構成や健康状態に合わせ、常温保存できるものを選び、定期的に確認・更新をするのもポイントです。基本的な備蓄品リストや選び方、管理の方法などを紹介します。
防災備蓄とは
防災備蓄とは、災害や緊急時に備えて、食料、水、医薬品などの生活必需品を計画的に準備し、一定期間の自給自足を可能にするための備えです。災害が起こった時に安全に過ごすためにも重要なので、常に備えておくようにしましょう。
防災備蓄の目的
防災備蓄の目的は、災害発生時における生活の安定と安全を確保することです。飲料水や非常食を備蓄しておくと数日間の自給自足が可能となるため、混乱を避けやすくなります。また、自宅が被災して避難所での生活をしなければならない場合でも、持ち出せる防災備蓄があれば迅速かつ安全に対応しやすくなります。
防災備蓄の重要性
災害時には迅速で適切な対応が求められるため、防災備蓄は非常に重要な存在と言えます。災害発生時にはライフラインの停止に加えて、食料や日用品の流通が途絶えることが予想されます。そのような状況下でも最低限の防災備蓄があれば、外部からの救援が届くまで自力で対処できるのでリスクを減らせるでしょう。
また、個々での防災備蓄は行政や自治体の救援物資配布の負担軽減にもつながるので、被災地の早期復旧に貢献できます。
基本的な防災備蓄リスト
防災備蓄は、最低でも3日分を確保しておくことが推奨されています。大人1人あたりの目安を備蓄品目別に紹介するので、準備する際の参考にしてみてください。
水・食料品
・水: 大人1人あたり9リットル(1日3リットル × 3日分)
・食料品: 大人1人あたり9食分
食料品リスト(大人1人3日分)
・水:9リットル
・米:1kg
・カップ麺:1〜2個
・乾麺(うどん、そうめん、パスタなど):1袋
・パックご飯:1〜2個
・レトルト食品:4〜5個
・パスタソース:1〜2個
・缶詰:4〜5個
・インスタント味噌汁:適量
・即席スープ:適量
・野菜ジュース:適量
・日持ちする野菜(玉ねぎ、じゃがいもなど):適量
・調味料:適量
・菓子類(チョコレート、アメなど):適量
保存性に優れ、調理の手間がかからない非常食や栄養補助食品などを9食分備蓄しておきましょう。
生活用品
(大人1人3日分)
・カセットコンロor灯油コンロ: 1台
・カセットボンベ: 3本or灯油1缶(18リットル)
・ラップ: 1本
・紙皿・紙コップ・割り箸: 9セット
・トイレットペーパー: 3ロール
・ティッシュペーパー: 1箱
・懐中電灯: 1台
・ランタン:1台
・モバイルバッテリー: 1個
・ラジオ: 1台
・乾電池: 1パック
・新聞紙: 適量
・ポリ袋・ビニール袋:1パック
・給水ボトル: 1個
・軍手: 1双
・レインコート: 1つ
・毛布: 1枚
衛生用品
(大人1人3日分)
・ウェットティッシュ: 1パック
・簡易トイレ: 15回分
・歯ブラシ: 1本
・口内洗浄液: 1本
・マスク: 3枚
・常備薬: 1箱
・救急箱: 1セット
・タオル: 1枚
女性の場合は生理用品、乳幼児がいる場合は紙オムツなど、必要に応じて追加をしましょう。
備蓄品の選び方
備蓄品は家族構成に合わせて選ぶ必要があります。優先順位を決めておき、保管しやすいかどうかもチェックするようにしましょう。備蓄品の選び方を解説します。
家族の人数・年齢・健康状態に合わせて選ぶ
備蓄品を選ぶ際には、家族の人数、年齢、健康状態を考慮するのがポイントです。特に乳幼児や高齢者、アレルギーを持つ人には特別な配慮が必要になります。例えば、乳幼児には粉ミルクや離乳食、高齢者にはやわらかいおかゆや栄養価の高いレトルト食品が必要です。慢性疾患のある人には、低糖質や低塩分など、医師の指導に基づいた食事療法を続けられる食料と医薬品が必要です。
また、ペットを飼っている場合は、普段から食べ慣れているペットフードを忘れずに備蓄しておきましょう。
常温保存できるものを選ぶ
食料は、災害時に冷蔵庫や冷凍庫が使えなくなる可能性を考えて常温保存できるものを選びましょう。缶詰やレトルト食品は長期間保存ができて、栄養価も高いので防災備蓄におすすめです。加えて、日持ちする野菜や野菜ジュース、果物の缶詰やドライフルーツを備えておくと栄養バランスを維持しやすくなります。
常温保存できる備蓄食料の例
・主食: パックご飯、乾麺、シリアル
・主菜: 缶詰(魚、肉)、レトルト食品
・副菜: 日持ちする野菜、野菜ジュース、果物の缶詰、ドライフルーツ
優先順位を決めて選ぶ
優先順位を決めておくと、より備蓄品を選びやすくなります。最優先した方が良いのは、水とカセットコンロなどの熱源、栄養バランスを考えた食品です。お菓子や嗜好品も少量用意しておくと、非常時のストレス軽減に役立ちます。
備蓄品の効率的な保管方法
備蓄品は取り出しやすく管理がしやすい場所に保管するのがポイントです。無駄なく効率的な保管方法を紹介します。
分散させて「取れなくなる」を防ぐ
備蓄品は1ヵ所にまとめるのではなく、複数の場所に分散して保管する方が効果的です。地震や水害などで特定の場所が使えなくなった場合でも、他の場所から必要な物資を取り出せるためです。収納スペースを有効に活用できて、家族全員で管理を分担しやすくなるといったメリットもあります。
家の中だけではなく、車や勤務先にも一部の備蓄品を保管しておくと、自宅に入れない場合や外出先で災害に遭遇した場合にも対応しやすくなります。
分散保管の例
・家庭内の分散: 食料はキッチン、水は水まわりや納戸など
・家庭外の分散: 車、勤務先、トランクルームなど
ローリングストック法で消費しながら保管する
ローリングストック法は、簡単に無理なく取り入れやすい備蓄方法です。カップ麺や缶詰、インスタント味噌汁などの普段から食べている長期保存食を少し多めに買い置きしておき、古いものから消費し、その分を新しく買い足すという循環した消費の仕方です。常に一定量の食品が新鮮な状態で備蓄されるので、非常時にも普段通りの食生活を維持しやすくなります。消費と補充を繰り返しながら、備蓄品の鮮度を保つようにするのがポイントです。
消費期限が近いものは手前に収納する
備蓄品を効率的に管理するには、賞味期限の近いものを手前に収納する方法がおすすめです。古いものを先に消費する習慣を作ると、賞味期限切れのリスクを大幅に減らせます。賞味期限を大きく明記して見やすくし、賞味期限の近いものを手前に収納すると無駄なく消費できるでしょう。また、スマートフォンのカレンダーに賞味期限を入力しておき、期限前にアラームを設定する方法も効果的です。
防災備蓄を準備する際の注意点
緊急時に使えないといった事態を防ぐためにも、備蓄品は定期的に点検しておく必要があります。また、備蓄品と合わせて避難時に持ち出せるグッズも用意しておきましょう。防災備蓄をする際の注意点を紹介します。
定期的に内容や状態を確認しておく
非常時に「電池が切れていた」「賞味期限が過ぎていた」という事態を防ぐためにも定期的に備蓄品の確認を行いましょう。賞味期限が近い食料は家庭内で消費し、新しいものと入れ替えを行います。市販薬も使用期限前に消費するか、普段使いと組み合わせたローリングストック法で管理するのがおすすめです。
電池は2~3年ごとにチェックし、液漏れがないか確認しておきましょう。簡易トイレにも使用期限があるため注意が必要です。定期的な点検を忘れないために、毎年9月1日の「防災の日」を備蓄品のチェック日にするのも一つのアイディアです。
非常用持ち出し袋も準備しておく
防災備蓄と非常用持ち出し袋は異なる目的を持つものですが、どちらも緊急時には必要不可欠です。迅速な避難が必要な時のために準備しておくと良いでしょう。非常用持ち出し袋は軽量で持ち運びやすいかを、備蓄品は長期的な生活を支えられるかを意識して準備を行います。
例えば、非常用持ち出し袋には持ち運びしやすい懐中電灯、防災備蓄には大きめのランタンを入れておくなど、それぞれの用途を理解して適切に準備することが、災害時の安全と安心につながります。
燃料も常に備えておく
災害時には燃料が手に入りにくくなる可能性が高いため、「満タン&灯油プラス1缶運動」が推奨されています。日頃から車の燃料は満タンを心がけ、灯油は1缶多めに保管しておきましょう。燃料を満タンにしておくと緊急時に自家用車を一時避難所として利用できるので、メーターが半分程度になったら補給を行うようにしましょう。灯油をプラス1缶備えておくと、災害時でも暖かい空間を長時間維持できます。常に備えておくと災害時に混雑するガソリンスタンドに並ぶ必要がなくなり、燃料切れの心配を軽減できます。
ガソリン満タンや灯油プラス1缶を備える大切さについて、詳しくは下記をご確認ください。
満タン&灯油プラス1缶運動
防災備蓄をしてもしもの時に備えよう
防災備蓄は、万が一の災害時に家族の安全を守るための重要な準備です。家族の人数や健康状態に合わせて、賢く選んで効率的に管理することも大切。緊急時に対応ができるように備えましょう。
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